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六層24 隣
「なんだあれ、ひどく不気味な人形が横たえられてるんだが」
「星です……」
俺が不満を口にするとシスターはボソとそれだけ答えて足早に奥に下がってしまった。
せめて説明をしてから下がれよ。
「おいどうするお前ら? このまま寝るか、退散するか」
俺はもうすでにこの危険地帯からエスケープする気満々だが、一応周りの奴らに確認をとる。
「動きそうじゃないんだから、寝ても大丈夫でしょ」「アイリッシュさんがいるしなんとかなるでしょ」「だな!」「そうですね」「確かに害意はなさそうじゃしな」
こいつらの謎のアイリッシュへの信頼はなんなんだ。
アイリッシュはついに極限状態を克服するために洗脳でも覚えたと言うのだろうか。
確認のためにアイリッシュを見ると青い顔で震えていた。
どうやらただ単に信頼度が異常値に達していただけらしい。
「寝ることは決定として誰がアレの横で寝ますか?」
俺が安堵してるとイルマスがそう切り出した。
お前大丈夫そうつったのに隣で寝るの嫌なのかよ。