六層21 仮眠
「呪いに使えたり、人命救助に使えたり、この腕なんでも使い放題すぎるだろ」
自分の身を救助したリバイバルに対してそうぼやくと奴らはあっという間に姿を消した。
意思があるように見えて無機質なようだ。
「エリア無事か?」
「無事じゃないわよ」
近くで青い顔して腰をついていたエリアにそう尋ねるとそんな返事が返ってきた。
どうやらシスターの起こした乱高下によって気分を悪くしたらしい。
「酷い目に遭いましたね。あの修道女はどうしますか?」
腕力的に運べるか微妙だし、どうしたものかと思案しているとイルマスが近づいてきた。
「目視で見えないところまで行ってるし、今はいいだろ。どうせフロアミッションをこなしているうちにまた会いそうだしな」
俺たちはどう考えてもあの謎のクマたちに狙われてるからな。
確実に星とか呪いとかを探っているうちに襲撃されて、あのシスターも数珠繋ぎでこっちにやってくるだろう。
「とりあえず疲弊したし、どこかで仮眠なりして休憩した後に攻略を再開したいが」
ここには宿屋らしい宿もないし、どこそかの家に止めさせてもらうにしてもそんな大きな建物はーー。
ないと否定を入れようとすると教会の黄色の天井が見えた。
いや教会があったか。