六層7 瘴気
『星』が過ぎ去った後、このわけのわからない信仰に根深いものを感じた俺はとりあえずフロアミッションの兼ね合いを見てこのことに関わるか決めることにした。
「勝手に邪魔して悪かったな。最後に教会の場所を教えてくれないか?」
「教会は道沿いにまっすぐ行った広場にある。特に危険はないが注意した方がいいぞ」
危険はないが注意した方がいいとはどう言うことだ。
「何かあるのか?」
「言うまでもないことだ。実際に見てみれば俺の言っていた意味がわかる」
言うまでもないことてなんだ。
尋ねたのに聞く前より疑問が増えた。
もう一度問い詰めたい気持ちもあるが、こちらに背を向けて鍋をぐつぐつやっている男が真面目に答えるような気がしないし、ここは教会に足を運んでから確かめるしかないだろう。
「じゃあ,教会に行って自分の目で確かめさせてもらうよ。またどっかで会ったらよろしくな」
そう言って奴の家からお暇する。
ーーー
男に言われた道順通りに進んでいくと閃光と煙が湧き立つ家々の先に教会は存在した。
ステンドグラスに尖塔付きのまあまあ豪奢な感じのところだが奴が言っていたような注意する箇所は見つからない。
「なんか変わったところあるように見えるか?」
「ないわね。あんたにはあるように見えるのかしら」
「ないな」
不毛なやり取りをしつつ周りのやつに外観について確認を入れると中を確かめることにする。
s字のすこし洒落た扉に手をかけ開けると
「ようこそ…教会へ…」
もはや瘴気と言っても遜色ない陰気さを放つシスターが現れた。