六層5 所在
「まあとりあえずお星様をあんたが大事にしていることはわかった。でもそんなことよりまずここら辺がどこら辺か教えてくれないか? ここに来てからずっと気になってるんだ」
絶対的な星だの、吸血鬼と瓜二つなことなど色々と気になることがあったが、まず直近で確かめなければならないことから確かめることにする。
「ここは迷宮都市の中の居住区画だ」
「迷宮都市か、ここが。いつもの都市なら壁があるはずだがなんでここはないんだ?」
「他の都市では壁があるのか。オレはここ以外に住んだ記憶が無いからどうしててのは推測になるが、おそらくこの層自体が迷宮都市だから何かと区切る必要がないってだけだろ」
男は呆気からんと言うとすぐ近くにある鍋に近づいていた。
近くにある火球の危険性がわかっているのか、わかっていないのか知らないがマイペースなやつだ。
「あんたらもうここに用事もないだろ。星がもうすぐここにくるからできれば早く退散してもらえると助かる」
男が鍋に手をつけると再び周りに煙が充満し、なぜか地面で光が瞬き始めた。
さっきのやつか?
そうと思うと地面から真っ白い手や鎌が飛び出し始めた。
「星だ」
男は頬を割った。