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五層34 消失

 自分の身に太陽の光が降り注ぎ体を燃やしつくしていく。

 吸血鬼の男はその様子を見るたびに身の内から呼び起こされる記憶に歯噛みする。

 噛みしめすぎで歯が割れるが全く気にすることはない。

 彼にとって当の昔にそんなものを気にするほどではなくなったのだから。


 だが記憶を呼び起こされるのはひどく苦痛だった。

 人々の命を喰らって自分が生きながらえていく記憶の中の自分と無残に朽ち果てていく自分の現在の様子が屈辱を植え付ける。


「生きれますように。生きれますように」


 しかしほとんど消失した体にはどうやってもその負の感情を生かすすべはなく、青年は吸血鬼になった時と同じことを空に向けて行い、消失した。

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