五層32 鉄塊
神殿にある魔力炉の処理を突貫で進め、おびただしい数あった魔力炉もタダの鉄塊に成り果てた。
「馬鹿みたいな数のガラクタだな」
「もっといい言い方で言いなさいよ。ガラクタだとガラクタ作るために一生懸命に頑張ったみたいで萎えるじゃない」
「じゃあ鉄塊にしとくか」
俺が言い換えるとミカエルがもっと頑張れよみたいな意味深な視線を送ってくる。
奴の謎のこだわりについていけずにスルーして再度魔力炉が残っていないか確認する。
鉄のひとかけらでも見逃さないような入念な確認を行い終えるとイルマスが口を動かした。
「早くここから脱出しましょうか」
言い終えるか言わないかで奴は入り口を塞いでいた魔力炉をどかし早速脱出経路の確保に動き出す。
「待ってください。まだ魔力を使う兵器が存在している可能性がありす」
「元を絶ったとしても一発発射できる魔力が中に残ってるとも限らないからな」
するとファイルとグラシオがそれに待ったをかけた。
確かに言われてみればその可能性もなきにしにもあらずだ。
そう思案していると壁の向こう側で大きな火花が迸るのが見えた。
「管制の水晶で何やら大きな円盤を見つけたので戻るついでに壊して来たき」
何事かと警戒すると扉の向こうからリッチャンが現れた。