五層27 炉
「どきなさい」
管制と魔力炉を封じた神殿の中をミカエルが蹂躙するようにして突き進んでいく。
目前に出てくる神殿の聖職者がちり芥のように吹っ飛ばされゆくさまを凄まじい光景だと思っているとあっという間に魔力炉が収容されている部屋の前に来た。
部屋の前の扉は魔力炉の残骸でふさがれており、聖職者が何とかしてどかそうとして大勢殺到しているのが目に入った。
ミカエルがそこに居た聖職者たちを近づいて弾き飛ばすとおもむろに持ち上げた。
「ささっとこの中に入って魔力炉を破壊してきなさい」
奴の促しに応じて俺らは扉の向こう側に入ると、イルマスがいくつもの魔力炉を破壊して青い火花を明滅させているところが見えた。
大剣が使えるとこういう大柄のものを破壊するときに向いてるからよさそうだ。
まあ俺の腕力は低いので必然的に弓を使うしかないので、想像してもしょうがないことではあるが。
中に所せましと並んでいる一割近くをもうイルマスが壊しているからあとの九割を手分けして壊すだけだ。
普通にやってもそんなに時間はかからないだろうが、何が起きるかわからない都合上すぐに終らせる必要があるので早速破壊に取り掛かる事にする。
金属製でそのまま弓を飛ばしても弾かれるだけなので、何やら魔法陣の光のようなものを放つ通気口を狙って打つ。
すると火花が飛び、魔力炉は活動を停止した。
精密機器のようで意外に脆いらしいこの調子てでどんどんと破壊していくことにしよう。