五層25 潜入
「アイリッシュさんが吸血鬼を相手にしてくれるとは心強いですね。これで僕も心おぎなく潜入することができます」
眼前に広がる神殿を前に見据えながらイルマスがごちる。
俺は色々と心配だがイルマスの心配を払拭出来たらしい。
アイリッシュ本人の意思とは関係なしにウィンウィンな結果が出てるようだ。
「アイリッシュ様様だな。リッチャンも頼む。体に障るからできるだけ動かない方向のしたかったんだがいかんせん、魔力炉とそれを運用する管制を抑えるには二人いるからな」
「構わん。どうせ老い先短いからの」
寿命が短くなるというのに、相変わらず肝が据わっている。
これで戦闘に関することならば何でも出来るのだから、大昔に戦った人間たちはたまらなかっただろう。
味方としては頼りになることこの上ないが。
「では行きます」
「行くき」
そんなことを考えていると魔力炉本体と魔力炉の制御室を抑えるために先に先行した。
「魔力が打ちあがったら俺たちもあそこに向けて乗り込むぞ」
他の面子に一応の為に再度説明すると早速上空に向けて魔力が上がった。
早すぎだろ……。
早ければ早いほどいいのだから問題はなくむしろいいけれども。
「行くか」