五層14 被害
あの神殿の中は相当にヤバいものを飼っているようだ。
「あの女の願いはしっかり叶えているが、他の人間に見られちゃ困るものに処理させているてところか」
まあ少し道を外れてるとはいえ、本人たちの願いは叶っているし、こちらに被害は及ばないようだし放っとけば良さそうだ。
被害は及ばないと確認できたし、ボスの間の捜索にもそろそろ手をつけるか。
そうすればアイリッシュの加護も回復できるし一石二鳥だし。
「私たちが不死者となることと何か関係があるのでしょうか」
先のことを考えているとアイリッシュが少し不安げな声でそんなことを話しかけてくる。
やっぱりこいつ完全にビビリのこと誤魔化すの忘れてるな。
さっき溜めた加護が今ので少し抜けた。
いかんな、結構減ってるらしいし、ボスの間に行く前に加護を全損しないか心配になってきた。
「ある可能性が高いな。もしやお前自ら神殿の中に入って確かめにいくつもりか、アイリッシュ?」
アイリッシュに神殿に行ってもらうという格好だけをとって加護を今のうちに貯めておくか。
「いや行かなーー」
「そうか、やっぱり行くのかアイリッシュ」
「あれはおそらくアンデッド系列で神聖術でない限り対処できないと踏んでましたが何も準備なしに対応できるものなんですね」
「勇者てアンデッドでも祝福なしで対応できたのね。不屈は対応できなかったけどやっぱり傲慢の勇者は違うってことかしら」
イルマスとミカエルが感心半分疑念半分といった具合でアイリッシュを称え始めた。
アイリッシュの加護が少しだけ回復するのが見えた。
いい調子だ。