二層⑤ 殲滅終了
「グラシオ、りっちゃん、サイドから挟んで真ん中に集めてくれ」
「おう!」
「任せえ!」
グラシオが左、りっちゃんが右から挟撃する。
案の上猿たちは中央に集まってこちらに迫って来た。
弓に矢を番え、ためを作る。
「俺がチャージで一掃するから、あまりの奴をイルマスとファイルでやってくれ」
「僕は問題在りませんが大規模な魔法を使った後のファイルさんはきついんじゃありませんか」
「多分あと低級10発打てば気力が枯渇する」
「……10発? どうやら僕の見当違いだったようです。そのまま打ってください」
「うれしい誤算だな。ファイル家様様としか言いようがない」
――チャージショットLV1
――貫通付与
弓から射出された矢は真っすぐに飛び立ち、縦に並んだ猿たちをまとめて射抜いて、向こうにある大木に半ばまで食い込むと止まった。
それを確認するとともにごっそりと気力が抜かれ、倦怠感に襲われる。
5分の2もしくは2分の1は数をこれで一気に減らせただろう。
あとは地道に猿たちを撃破していくだけだ。
荒くなった息を整えつつ、矢を番えるとイルマスが飛び出し、ファイアーボールが射出されるのが見えた。
イルマスはいくつものナイフの投擲でざっくばらんに猿たちを処理し、ファイアーボールは一匹の猿にあたり炸裂し、周りの猿2匹を着実にに奪っていく。
猿たちの個々の戦闘能力はあまり高くなかったおかげで意外に楽に処理できている。
個体で言えばスケルトンより少し弱いくらいだろう。
幾つかの弓を射出し、グラシオが大回転切り、りっちゃんが拳で地面を割る戦技を発動させると猿の処理は終了した。
先に終わっただろうアイリッシュとミカエルを見ると攻略⑧を見てあーだこーだ言っているのがわかった。
「絶対にこの層はこのマップとは異なっている。これ以上これを見るべきではない」
「同じところもあるかもしれないでしょ。見た方が良いわよ」