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五層⑥ アンデッド
門の内側に入っていくと白一色の街並みと若者と子供たちの大群が目に入った。
中年と老人の姿が全く見えないことに違和感を覚えた。
「年寄りが酷く少ないな。どこに行ったんだ?」
「年寄りは目の前にいますよ。私とかそこの青髪の彼とか」
「歳をとっているように見えんが、御伽話の長命種だって言うのか」
「いえ長命というよりアンデッドですから寿命がありません」
「ここにいるのが全員か?」
「そうです」
俺が喫驚してそう尋ねると、こともなげに青年は頷いた。
前もとんでもなかったが今回は神様を信仰するアンデッドの都市のようだ。
まだフロアミッションは出されていないが嫌な予感しかしない。
「こちらが神殿の入り口になりますのでお入りください」
しばらく町並みを進んでいくと神殿の入り口にたどり着いたようでまた『星』と呼ぶ何かを呼び出すとそれで門を開いた。