表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/375

四層38 呼び名




入口から再度突入していくとちょうどファイルがこちらに歩を進めていくのが確認できた。


「ボスは大丈夫だったのか、ファイル?」


「ええ、時間制限のようだったのでしばらく逃げていたら、クリアになって転移陣が出現しました」


「そのタイプだったのなら心配して損したわね」


時間制限と言う単語に違和感を覚えているとミカエルがその言葉を肯定する。

それで違和感は消えると思っていたが、なぜか心の中ではまだ残ったままになっていた。

何かがおかしい。


そう思い記憶を巡らせているとその違和感の正体をつかめた。


「ファイル、あのボスからお前は師匠と言われていたが何かあるのか?」


ボスがファイルを呼んだ時の呼び名がおかしかったのだ。

普通は挑戦者に対してわざわざ師匠と言う奴はいない。


「いえ、あのボスはどうやら最初に相手にした人間を師匠と言って攻撃する習性があるみたいで。私にも詳しいことはわかりません」


苦しい言い訳だ。

だがこのことについて絶対に口を開かないという意思は、そのすげない態度からありありと伝わってきた。

一気にはいけないな、時を置いて直接的でない聞き方で聞くか。


「奇妙な奴だったんだな」


「ええ、変わったボスでした」


ファイルはそう言って壁に手を這わせながら歩み始めると突き当りの壁の前で止まった。

すると壁がおもむろに開き、転移陣が見えた。

普通ボスの間の最奥にあるそれがなぜここにと思うと


「さて、新しい層に行きましょうか」


ファイルがそう促してきた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ