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四層37 術式

 ファイルたちの約束は『呪いの全ての完全解除すること』だ。


 転生し、ロールズに限っては魂を呪いでホムンクルスに紐づけることになったが,やっとその約束が果たされようとしていた。


 あとは術式を渡せば、ファイルが準備を整えて発動するだけとなる。


「よくここまで術式を編んだ上で、待ってくれた。長かっただろう」


「ああ長かった。肉体は持たないし、存在もだんだんと薄れて、もうダメかと思った」


「術式を開発できて興奮していたからな。一節間違えて転生が百年ずれた。すまんな」


 ファイルが悪びれもせずに言うのでロールズは毒気を抜かれ、嘆息した。


「結果的に間に合ったからセーフとしておくよ。それよりも早く術式を受け取ってくれ。呪いを維持するのも結構気張る必要があるんだから」


「お前は魔力の使いすぎで今にも呪いを破断させそうな勢いだからな。早く受け取らせてもらおう」


 ファイルはロールズに手を差し出すと,その手を彼が掴む。

 掴まれた手と手を介して、術式がファイルの中に流れていく。


「確かに受け取った」


 ファイルが受け取ったことを口に出して、答えるとロールズはファイルの目を真っ直ぐに見つめた。


「後のことを頼んだぞ」


「ああ、任せておけ」


 ファイルはその目を真っすぐに見つめ返すとそう力強く答えた。


 一つうなづくとロールズの姿は消え、物言わぬホムンクルスだけが残った。


「さて皆さんのところに戻りましょうか」


 ファイルは瞬時に錬金術で墓を建てるとそう呟いた。

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