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四層㉔ 心

 トラばさみ、落とし穴、ホムンクルスの魔法の絨毯爆撃を超えてやっと層と層との間の階段。

 安全圏へとたどり着いた

 ファイルが脱落して、息が荒かった面子がへばっている以外に大きな問題はない。


 魔術師が抜けた穴は大きいが、ここでは敵が大量に出てくるわけではない。

 攻略不可能なまでの決定的な損失は起こっていない。


 奴の死にも報いるために攻略をしてしまった方がいいだろう。

 ここに長居すると碌なことが起きないよう気がしてならない。


「休憩もそろそろ終わりにして、攻略を再開するか。おそらくこの先も地獄だろうが一層で感覚はつかんだだろ?」


「ユースケス、仲間が死んだのにいくら何でも調子が軽すぎないか!」


 俺の言葉にグラシオが渋面を作った。

 奴は仲間の死によってすっかり熱が入ってしまったらしい。

 焦って特攻されても困るな。

 説得しよう。


「軽すぎることはないだろう。あいつはまだ生きてるからな」


「本当か!? まだあいつの心の声が聞こえるのか、ユースケス!?」


 最初から聞こえねえよ、ファイルの心の声なんて。

 あいつの心の強度は高いからな。


「ああ聞こえてる。あいつはどうやら罠の中で踏ん張ってるみたいだ。はやく攻略してあいつを助けてやらなくちゃな」


「なんだよ、それを早く言えよユースケス! 俺はてっきりしんだかと! ここでへばってる場合じゃないな、早く攻略始めないと!」


 グラシオは納得したようで、立ち上がると他の奴らに攻略するように促し始めた。

 うまくいったようだ。


 そう確信して弓矢を用意してるとアイリッシュが不安そうな顔でこちらに至近してきた。


「嘘をついたでしょ」


 こちらの耳元で奴は確かにそう呟いた。

 なんでこいつにばれた……?

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