イケメンメンタリスト(偽)無限迷宮に志願する
始めまして、竜頭蛇と申します!
頑張って連載したいと思います!
よろしくお願いします!
ユースケス・トルクレンチ
16歳
レベル5
役職 メンタリスト見習い
武装 弓
体力 123
気力 150
腕力 12
精神 25
耐久 10
敏捷 12
知性 18
暗記 18
加護 なし
呪い なし
職業病 「メンタリズムLV1」……精神強度LV1までの者の心を閲覧可能
魔術 風魔法LV1「そよ風」、火魔法LV1「火属性付与(極小)」
戦技 早打ちLV1 喧嘩殺法LV1
今朝、鑑定石の前に並んで見てきた俺の実力だ。
伝説『四勇者と偉大なるメンタリストディーゴ』に出てくるメンタリストという役職も獲得しているし、ステータスもこのレベル帯ならまずまずな高さ。
これから受けてくる無限迷宮攻略隊の審査も難なくスルーだろ。
「これで俺も億万長者だな! ガハハハ!」
―|―|―
冒険者ギルド『深淵の入り口』受付
審査待ちの行列が晴れてきて、酒臭い円卓群の向こうの受付がやっと見えてきた。
命の保証はないのであんまり来てないと思ったが、予想に反して満員御礼パレードみたいになってたのは誤算だった。
万が一はないと思うが、先鋭ばかり来過ぎてノーセンキューてこともあるかもしれない。
「次の方どうぞー」
「あ、はい!」
いかん、いかん、考え込んでボーとしてた。
受付の前に急いで行って、鑑定石の結果の写しを渡す。
受付のお姉さんはニコリとしながらそれを受け取る。
長い白髪に青い瞳が特徴的な人だ。
素直にビーティフルと表現するしかない。
天使みたいだな……。
きっと性格もいいに違いない。
そんなことを考えていると頭の中に無機質な女の声が響いた。
――ミカエル・スカンディナヴィア精神強度LV1
――条件を満たしました
――メンタリズムLV1発動
「うん、うん、ステータス高いですねえ」
(このクソガキィ! レベル5のくせにステータス高! なんか腹立つわ、写しグシャグシャにしたろ!)
性格わるぅ!!
「あ、ちょ、早まらないで!!」
「審査は合格です! 良かったですね、あちらへどうぞ!」グシャグシャポーイ!
このアマ、グシャグシャにした上投げおった……!!
「ひど!! めちゃくちゃだよ、あんた!!」
「うるせえ! 社会の厳しさを教えてやっただけだろうが! 感謝しやがれ!」
(うるせえ! 社会の厳しさを教えたやっただけだろうが! 文句言ってんじゃねえ!)
うわぁ、全部本音だ……。
しかも心より口の方がひどい。
ヤバいよ、この人。
「次の方どうぞー」
「はい、高いですねえ」ビリビリビリ!
「ぎゃあああ、俺の写し破りやがった!」
ああ、どんどん後続の奴らが餌食に……。
―|―|―
「俺はギルドマスターのニルヴァーナだ。諸君審査合格おめでとう! ここに残っている君たちは我が大陸の救世主になることに信じている!」
「おお!」「あの五剣帝の一人からお褒めだぜ!」「鼻がたけえ!」「ニルヴァーナ様!」
大陸統一武闘会で初出場から今期まで無敗の男からの挨拶で周りの連中の熱は急上昇しはじめる。
盛り上げるのは良いけどこの人無限迷宮攻略にはついて来ないんだよな。
「さて早速攻略の話をしたいと思うのだが。……アイリッシュ君、そこから降りてきてくれないかな」
「あ、あれは、四勇者の一人!」「慢心のアイリッシュだ!」「スゲエ、本物だ!」「勇者の中でも二番目に実力の高いアイリッシュが俺達について来るのかよ!」
ギルドマスターの目線の先をなぞった奴らが全員気色ばみはじめた。
見ると純白の鎧を纏った金髪の女が梁の上に立っていた。
「あれが噂に名高い勇者か……」
俺がそうごちるのと同時にアイリッシュは口を震わせた。
「フン、私は孤高の存在! 貴様らとは同じ地面を踏まない!」
高飛車だなこの女。
ネコとかに普通にローキックとかかましそうだ。
――アイリッシュ・コールド精神強度LV1
――条件を満たしました
――メンタリズムLV1発動
ああ、発動しちゃった……。
ナチュラルに人とか見下してそうだから嫌なのに。
条件満たすと絶対に発動するからしょうがないか。
「フン! こっちを見るんじゃない蛆虫が!」
うわあ、ほらもう口だけでこれだよ。
心なんて更にヤバいに決まってるよ。
「この高さ、全く私の孤高さに相応しい!」
(ふぇぇ、高いよう! 降りられないよお!)
ええ、その口調で臆病なの……!?