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物語のエンドハッカー  作者: カケル
3/5

次の世界へ

「あー、なんか疲れたし寝るか。」


俺は昨日の事もあり少し疲れている。今日は日曜日。特にすることもない平凡な一日。

俺はベッドの上で横になり、すこし睡眠をとる。


(そういえば、ネット小説更新してなかったから起きたら更新するか・・・。ってかなんで俺小説の中の世界に入れたんだろうな。気になるけどまあいっか。)


と、寝ようとした瞬間友人からメールが届いた。


(えっとなになに?・・・「この小説、スパイもののやつなんだけど全然面白くなかった。なんというかなんかがたりないんだよ。刺激というかなんというか。全部のミッションでただひたすら成功して戻ってくるだけで臨場感がないんだよなあ・・・。」あ、そうすか。)


特に興味はなかったのでそのまま無視して寝ることにした。


・・・2時間後アラームが鳴り、俺はその音に反応して起きた。そういえば小説を更新してないのを思い出した。疲れもとれたし小説でも書くか・・・。


ピンポーン


(ん?誰かきた。どうせどうでもいいチラシを配りに来ただけだと思うし、どうでもいっか。)


ピンポーン


「うるさいなあ・・・。いまでまーす!」


廊下を歩き玄関へ向かう。そして玄関の扉をあける。


「うっす」


そこにはいつも予告なしで勝手に来る友達の夏川隆二がいた。

まあ予告があってもなくてもどうでもいいけどなんでまたいきなり来たのか。


「ああ、隆二か。今日はどうした?」


そう言いながら俺は隆二をあがらせて部屋に入らせた。


「いやあ、なんかなんとなく暇だったから来ただけなんだけどさ。一応この本持ってきたからお前も読んでみろよ」


「これが噂のやつか。」


隆二がだしたのはさっきメールで送ってきたスパイものの小説だった。

面白くないとか言いながら結局全巻持ってきてる。


「刺激が足りなくて全然面白くなかったってのは事実だけど、ここ、見てみろよ!それとここも!」


最初の1ページ目や、間に書いてあるイラストを次々に見せてくる。

ネタバレしたらもっと面白くなくなるじゃないか。


「わかったわかった。読むよ、読む読む。」


「それより疲れた。なんか飲み物ない?」


「ああ、お茶くらいならあるけど。」


「ああじゃあそれでいいや。」


ああわかった。っと軽く返事を返して俺は部屋をでてお茶を用意しにいく。


(そういえば俺小説の中に入って物語を変えることができるんだっけ。・・・あいつが帰ったら試しに入ってみるか。)


そしてお茶を汲んで俺は部屋にもどる。


「お、センキュー。っはああああ!やっぱ疲れたあとの冷たいお茶はいいな!」


「なあ、この小説、しばらく借りてもいいか?」


「全然いいぜ!」


「ありがとう」


そして俺たちは普通にゲームなどをしたりして3時間を過ごした。

もう18時だ。


「あ、もう6時か。俺今日飯の用意とかしないとだから帰るわ」


「隆二がやるのか?意外だな。」


「ああ、今日は親の帰り遅いし弟も腹すかせてるはずだからな!」


そして隆二は自分の家へ帰った。

俺はさっそく隆二から借りた小説を読んでみることにした。

内容としては9歳の女の子の貧民がとある街で盗みを犯し、12歳の時にスパイグループに誘われる。そしてその少女は、男二人、女二人がいるチームへ配属される。そしてその5人グループは様々なミッションをこなす。

それだけだ。確かになんの刺激もない。ただただミッションをクリアしていってるだけだ。トラブルも大したことのないものばっかり。例えば仲間との口喧嘩。本当にただそれだけだった。たしかにこれは面白くないな・・・。


(もっと大きいトラブルなどあってもいいんじゃないのか?・・・そうだ、面白くない物語なんて変えてしまえばいい。)


俺がそう思った瞬間またあのときのようにあたりが真っ白な光に包まれた。

また物語の世界に入ることに成功したんだ。


目を開くとそこは大きなシャンデリアがぶらさがり、床にはきれいな絨毯が敷かれていた。そう、ここは豪邸だ。おそらくスパイグループが来るであろうと思われる場所だ。

なによりも一番気になることがあり俺は鏡をみた。

するとそこに写っていたのはきちんとしたスーツを着た一人の男が写っていた。

おそらくこの屋敷の使い人になったんだろう・・・。


「だからなんで俺はこんな変なキャラにしかなれないんだよ!主人公じゃなくても豪邸の領主とかなれないのかよ!」


けど俺はすべて知っている。

いつスパイがくるか。誰が誰に化けて行動しているのか。どこに逃げるのか。

そしてどこにアジトがあるのかも。

つまりこの小説に衝撃を与える手・・それは・・・。


「スパイグループを全滅させること」


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