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物語のエンドハッカー  作者: カケル
2/5

物語改変

(死にたくない死にたくない死にたくないやだやだやだ)


俺が死んだらハッピーエンドなのは間違いない。けど、これ死んだらどうなんの?てかどうやったら元の世界に戻れるの?


(あー、三次元もどりてえ)


ここぞとばかりにそう思う。なんで魔王なんだ俺。そこは主人公になって、ヒロインを救って、魔王を倒して、はい、ハッピーエンドって感じだろ?

・・・そうこうしているうちになんか手下的なのがやってきた。


「魔王様!勇者がだんだんこちらに近づいてきています!」


はや!おいおいどうしようどうしよう死んじゃう死んじゃう。てかこいつ予想以上にきもいな。小説には固い甲殻で守られているモンスターと遠まわしに書いてあったけどただの虫じゃないか。

ってそんなことはどうでもいい。勇者がきたらまずい。


「お、お前ら!今すぐ勇者を足止めしろ!えと、お前と、お前と、それにお前!なんか強そうだからいってこい!」


俺は特にサイズのでかい虫のようなモンスターを指さして向かわせた。

魔王ってこんな気持ちなのか・・・。

ってか俺魔王ってことはすごい魔法とか使えるのか?


そう思って俺は杖を振り回してみた。

すると待機中の空気が破裂し、すさまじい爆発がおこる。


「おお!すげえ!」


あまりの感動に声がもれてしまった。

これなら勇者を倒せるんじゃないか?


「ま、魔王さまあ!あいつらがやられて、もうすぐそこまで勇者がきています!」


「いやはや!ま、まじで!ちょ、んじゃあお前、俺と一緒に戦え!」


「え?私がですか!・・・は、はい。」


仲間ができてすこしホッとする。

そしてついにその時はきた。

えと、どうしよ。とりあえずここはそれっぽいセリフを・・・


「よ、よくぞきたな勇者よ!ってうーわ!ヒロイン実際に見たの初めてだけどめっちゃかわいいじゃん!」


(あ。)


「なあに?あの気持ち悪い魔王。」


ヒロインにドン引きされてしまった。


「き、きっと頭のおかしいやつなんだよ。魔王だし。ってそれより魔王!この世界と俺の仲間を戻しやがれ!」


(ああ、そういえばこれ小説の中の世界なんだっけ。てことは・・・たしか魔王はこの世界を破壊して新しい世界を作り出そうとしていて、んでたしか仲間をさらったんだっけな。このまま降参したほうが安全・・・いや、ここはあえてヒロインとイチャイチャしている主人公に制裁を下すチャンス。そういえばさっきの魔法使えばこいつらすっげー弱ったような・・・。)


とりあえずそれっぽいセリフ言って魔法ぶっぱなすか。


「返せと言って返すバカがどこにいる!おら!くらえ!」


いやこれ絶対セリフ間違えたわ。


「ぐわあ!」

「きゃあ!」


主人公とヒロインはかなり吹っ飛び、かなり傷ついている。この魔法つよすぎだろ。

さすがにやりすぎたかな。


「あ、あの、ごめん。さすがにやりすぎた。本当に。悪い。」


俺はそう言いながら手をさしのべる。


「よくも・・・よくもやりやがったな。」


(あ、そうだ俺小説の世界の魔王だったんだ)

そして主人公が剣を振りかざした瞬間横からなにかがとんできた。

なんとそれはさっき一緒に戦おうと言ったモンスターだった。


「虫ぃぃぃぃぃぃぃ!・・・お前。いいやつだったよ。」


「さあ、いくぞ!くらえ!」

「私も!はぁぁぁ!」


「まて!まて!わかった!降参する!世界戻す!仲間返す!僕ら友達!」


(死ぬのは嫌だったので俺は降参した。)


「よし、ならはやく戻せ、仲間をここへ連れてこい!」


「は!ただいま!」


お俺は玉座の奥にあった部屋から仲間を連れてきて、杖をふりかざして世界をもどした。

・・・ってかこれでいいのか?


「よし・・・けど、魔王がいたら世界の民たちはまだ恐怖におびえるだろう。」


(えっ?)

話がちがう。俺は生きてていいんじゃないのか。


「やっちゃって!」


ヒロインが叫ぶ。


「いくぞ!はぁぁぁぁ!」


そして俺は一瞬にして斬られた。めっちゃ痛い。てか絶対死んだ。

けどこの物語は、ヒロインが死んだバッドエンドではなく、全員が救われたハッピーエンドになった。

そしてあたりは真っ暗になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ん、んん~・・・。」


目を覚ますとそこは自分の部屋のベッドの上だった。

っとなると、俺は物語の結末を変えるために小説の世界へ行き、自分の望む結末に導けたから元の世界へもどってきたってことか。


「そうだ!小説!あの小説、どうなったんだ!」


気になって俺はさっきまで読んでいた小説を読み返してみた。

するとハッピーエンドに変えられていた。・・・のはいいが。


「セリフまで全部そのままじゃねえか。恥ずかしい。・・・いや、この小説書いたのは俺じゃないから別にいいのか」


(そう。確かにセリフと内容を変えたのは俺だ。だけど書いたのは俺じゃない。だから俺はなんも悪くない。)


物語をハックできるのか。面白い。めっちゃ面白いじゃねえか!


(・・・けどこれ、あまりにもずらしすぎるとさすがにくそ小説になっっちゃうし、そこらへんは注意しないと。わかりやすく言えばセーブのできないリアルギャルゲーだな。)


こうして裕斗は物語を改変できるということを知った。


「次はどんな世界に入ろうか」













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