1/3
第1話「春の朝」
カーテンの隙間から入りこむ朝日が
机のビー玉を駆け巡り
早起きスズメの歌と一緒に
敦子の頬にたどり着く
「あっちゃん、あっちゃん、私のあっちゃん」
「ママ!
やっぱり死んでなんかいなかったのね!」
幽霊じゃないことを確かめようと
必死に抱きつき
母の足を踏んだ
夢はいつもそこで覚める
春の陽射しは優しく
敦子の夢を抱きしめる
「ママ・・」
敦子は涙をぬぐい
窓辺に並ぶスズメの影絵を見つめた
「明日は何か美味しい物を置いてあげようかな」
敦子がベッドから立った時
三つの影絵が飛び去っていった




