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理不尽な世界で妹探し  作者: ふじだる
2/3

2 賢者様?

  「ここはどこだ?」


  俺は目を覚ますと石の台座の上に寝っ転がっていた。

  周りを見渡すとローブを被った人が何十人もいる。

 あれ、俺はなんでこんなところにいるんだ?

  ・・・あ、思い出した!確かアナとか言う声と話していて急に目の前が暗くなったと思ったらここにいたんだ。

  てゆうかあいつ理不尽すぎるだろ!

  人の話ぐらい聞けっつうの!

  俺がそんなことを思っていると


  「ようこそ賢者様」

  「はぁ!?」


  俺は驚きのあまり思ったよりも大きな声を出してしまった。


  「賢者様?俺が?」

  「あなた様は数百年に1度この世界の危機に現れるという勇者様を導くとされている六賢者の1人でございます」


  ・・・これはあれかアニメやラノベでよくみる異世界転生というやつか。

 てゆうかなんで俺が勇者じゃないんだよ!


  「とにかくこちらへ、王がお待ちです」


  ローブの男が歩き出すと俺も慌ててあとについていく。



  「やばいなこれは」


  城の中はザ、ファンタジーという感じの大理石で作られた柱や壁を見て俺は息を呑む。

  いざ異世界にきたと思うとニヤニヤが止まらない。

  だって異世界だよ?

  剣や魔法でモンスターと戦ったり、この世界でしか食べられない料理とかあったりするわけでしょ?

  ・・・楽しみですなー。


  「あの、少しよろしいですかな」


  俺が妄想をふくらましていたらローブの男が話しかけてきた。


  「はい、なんですか?」

  「いや、まだお名前を聞いていなかったもので。ちなみに私はこの城の宮廷魔術師をやっておりますモンザベールと申します。以後お見知りを」


  そうゆうとモンザベールと名乗る男はぺこりとおじぎをした。


  「あ、すみません。青木堂谷(あおきとうや)です。」


  俺も慌てておじぎをした。

  我ながらダサいな。


  「トウヤ様ですね?わかりました。何か困ったことがあったらなんでもお申し付けください」


  そうゆうとモンザベールさんは微笑みながらまた歩みを進めた。

  ええ人やな〜モンザベールさん。

  これから何かあった時はこの人を頼ることにしよう。


  「さぁ、着きましたぞ」


  どうしよう、なんか緊張感半端ないんだけど。

  俺はこっそり、昔母から教えてもらった緊張をほぐすおまじないをしながらその時を待った。


  「うむ、そなたが6人目の賢者か」


  王座に白いヒゲが印象的なおっさんが腰掛け、興味深そうにこちらを見ている。

  なんか俺初めて本当のカリスマ性ってのを見た気がする。


  「わしはグランヴェル=リズベット28世である。おぬし、名は?」

  「あ、青木堂谷です」


  やばい緊張で震えが止まらないんだが。


  「おぬし勇者と六賢者の伝説の事を知っておるか?」


  いや、さっきこの世界に来たばかりなんだからわかるわけないだろ。


  「いや、わかりません」

  「では、この城にある図書館に行ってみるがよい。

 モンザベール、トウヤ殿を案内しろ」

  「は!わかりました。では、トウヤ様こちらです」


  そういうとモンザベールさんは王様に一礼をして歩き出した。

  俺も一礼をした後急いでモンザベールさんの後を追いかけた。



  図書館は地下にあるらしく、何回か階段を降りた。

  そして図書館を見た俺は自分の目を疑った。

  俺の家の近くの図書館の何倍あるんだよ!

 

  「ではトウヤ様、こちらにお座りください」


  モンザベールさんがイスを引いてくれた。


  「あ、どうも」


  おおー!流石城にのイスだけあってめっちゃフカフカ。

  俺はキョロキョロ辺りを見渡してみる。

  図書館は地下なのに木造建築で、木の独特な香りが辺りに充満している。

  それにしてもこんだけの本どうやって管理してるんだ?


  「さて、トウヤ様。ここからは長くなりますがよろしいですか?」

  「どうぞ」


  ざっくり説明すると、

  今から数百年前、この世界は人間、獣人、魔族が争いを繰り返していた。

  人間は、身体能力が高い獣人や強い魔力を持つ魔族と違い、何かコレといったものもなくただ滅びるのを待つだけという状況だった。

  そこで、人間は勇者と六人の賢者を召喚する事にした。

  六賢者は、戦士(バトルマスター)剣士(ソードマスター)、モンク、魔法使い、精霊術師(エレメンタリスト)、モンスターテイマーという職業についていたという。

  勇者達は圧倒的な力で獣人や魔族に奪われた領土を取り返し、戦争を休戦という状態まで追い込んだ。

 それから数百年、その3種族どうしで争いは起きていないという。

  その後、勇者達がどうなったのか誰も知らない。

  しかし、現在また争いが起ころうとしている。

  だから人間達はまた勇者召喚を行うことにした。

  そして、今に至るというわけだ。


  「それで俺は何の職業についているのですか?」


  俺は話の中に出てきた六賢者の職業について聞いてみる事にした。

  俺は何の職業についているのかなー。

  戦士?剣士?魔法使いもありだな。


  「はい、モンスターテイマーですな」

  「はい?今なんと」


  さっきのは俺の聞き間違いかな?


  「モンスターテイマーですな」

  「モンスターテイマーといえばあのモンスターを仲間にしたり、一緒に戦ったりするあれですか?」

  「おや、よくご存知で」


  なんてこったい


  俺はハズレを引いてしまったようだ。

  なんだよモンスターテイマーって!

  異世界にきたらやっぱり剣や魔法で戦いたいだろ!

  え、なに?

  じゃあ俺ずっとこの職業なの?


  「あのー、モンザベールさん?」

  「なんでございましょう」

  「転職ってできますかね?」

  「無理ですな」


  ですよねー


  俺が落ち込んでいると


「新しい賢者が来たって聞いたんだけど」


  俺は声の方を向くと図書館の入り口に金髪のロングヘアーの女の子が立っていた。


「おお、これはこれはアカリ様。こちら、モンスターテイマーのトウヤ様でございます。」


 アカリ様?もしかして


「モンザベールさんこの人って」

「ああ、こちらはトウヤ様より先に召喚された戦士のアカリ様でございます」


  でた!戦士!

  俺はアカリと呼ばれていた戦士のことを観察していると。


「なにさっきからジロジロ見てるのよ。ヘンタイ」

 

  なんかこの反応、誰かさんを思い出すな。

  このむかつく感じもそっくりだ。


  「別に、ただなんで金髪何だろうっておもってただけだよ」


「ハーフよハーフ。それぐらい分かりなさいよ」


  わかるか!


  「さぁ、今日はトウヤ様もおつかれでしょう。続きは明日にしてお部屋をご用意いしたのでごゆっくりおくつろぎください」


  俺はお言葉に甘えて休ませてもらう事にした。

  明日からは忙しくなりそうだし、何より小春の情報を集めなくてはいけないからな。



  待ってろよ小春






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