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理不尽な世界で妹探し  作者: ふじだる
1/3

1 俺の妹は死にました

いくつか修正しました。

  義妹が・・・小春が死んだ。


 


 あいつは何故小春を殺した?


 なんであいつは俺の大切なもの奪うんだ?


 憎い憎い憎いあいつが憎い。


 なぜ小春は死んでしまったんだ?


 誰が守るべきだったんだ?


 ああ、俺か。俺が守るべきだったんだ。




 ごめんな・・・小春

 







  「はぁ はぁ はぁ………」


  目を覚ますとそこは見慣れた自分の部屋だった。

 全身が汗でびっしょりになりながら俺は自分が見た夢を思い返す。


  「………またか」


  1年前の妹の死をきっかけに5日に1回はこの夢をみている。

 そろそろどうにかなりそうだ。


  俺が9歳の時に母親が再婚してその時に今の父親と一緒にこの家に来たのが当時7歳だった小春だ。

  最初はなかなか馴染めなかったが父親も優しく、小春も一緒に生活していくうちに仲良くなっていった。


 それから8年後、俺は17 、小春15歳になり俺たちは高校生となった。

 幸せだった。毎日が楽しくて仕方がなかった。


 そんな時にあの事件が起こったのだ。






 その日は何の変哲も無い暑い夏の日だった。


「お兄ちゃんおはよう!」

「ああ、おはよう」

「元気ないねお兄ちゃん!もっと元気出そうよ!」

「お前が元気すぎるんだよ!」


 いつものやりとりをした俺たちは朝食を食べるために席に着く。


「そういえば小春は今日なんか予定とかあるのか?」


 俺はトーストを口いっぱいに頬張りながら、義妹に今日の予定を聞く。

  ああ、やっぱジャムとマーガリンのコンビは最強だな。


「お兄ちゃん行儀悪いよ。今日はね、ふっふっふなんとデートなのです!」

「へぇーーー」

「もう、少しは興味を持ってよ!」


 俺はクールに振る舞っているがもちろん興味がないわけがない。

 だって妹に彼氏ができたんだぞ。それで本当に興味がないと思っている奴は兄失格だろ?

 でも、表面上では俺は興味がないふりをする。

 だって恥ずかしいだろ。


「で、お兄ちゃんは今日は何するの?デート?」

「ほう、この歳にもなってまだ実年齢=彼女いない歴の俺に対する宣戦布告と受け取っていいんだな?」

「きゃー!義理の兄に襲われるー!」

「人聞きの悪いことを言うな!」


 こいつは本当どこからこんな知識を覚えてくるんだ?




「じゃあお兄ちゃん行ってきまーす!」

 俺が食後のティータイムを楽しんでいると小春が嬉しそうに2階から降りてきた。

 着ている服も最近流行りのファッションで我が義妹ながら完璧に着こなしている。

 香水をしているのか辺りに独特の匂いがする。


「おう、あんまり遅くなるなよ」

「はーい」



 ・・・それが俺たちの最後の会話となった。

 それから3日後小春さ遺体となって発見された。

 死因は首にロープのような跡が付いていたことから窒息死だと思われる。

 また、犯人は彼氏だったようで殺害目的は未だにわかっていない。

 何故なら犯人も小春に覆い被さるように死んでいたからだ。


 妹の死を聞いた時は天国から地獄えたたき落とされた気分だった。

 なぜ救えなかったのか?なぜ妹は死んでしまったのか?この1年間そればっかり考えている。






「堂谷ー!おきなさーい!」


 一階から母の声が聞こえてくる。

 時計を見るともう8時過ぎだ。

 目覚まし時計をかけておいたはずだがいつの間にか止めてしまったようだ。


「やっべ!」


 俺はまだ気だるい体に鞭を入れ学校へ行く為の準備をする。

 8時半からホームルームが始まるので、もちろん朝食を食べる時間もなく、俺は台所に置いてあった弁当を片手に居間へむかう。


「小春、行って来ます」


 俺は仏壇で手を合わせ今は亡き義妹へ向かって挨拶をした。これは小春が死んだ1年前からの日課になっている。


「母さん行って来ます!」

「行ってらっしゃい。そうそう今日もパートで遅くなるから晩ご飯は温めて食べてねー」

「へーい」


 中学生の時から愛用している自転車にまたがり、俺は急いで学校へ向かう。





 授業も真面目に受ける気はなく、軽く受け流していたらいつの間にか帰りのホームルームがおわっており、クラスメイトはみんな帰る準備をしていた。


「堂谷ー、今から俺たちカラオケに行くんだが一緒にどう?」


 話しかけて来たのは俺が中学の時からの付き合いの友達だ。

 たしか野球部に入ったんだっけ?

 坊主でわんぱくそうな顔つきをしていていかにも自分野球やってますっていう感じだ。

 周りにいるのはそこそこ仲がいいクラスメイトだ。


「悪い、今日は早く帰ってこいって親に言われてるんだ」


 もちろん嘘だ。


「そっかー。ならしょうがないな」

「今度また誘ってくれよな」

「おう!」


 元気よく返事をすると周囲のクラスメイトと一緒に

 教室から出て行った。

 俺は友達に心の中で謝りながら帰る準備を再開した。


「帰るか」


 そうゆうと俺は荷物を持ち教室から出た。

 辺りは夕焼けのオレンジ色に包まれ運動部が練習を始めたのかグランドから賑やか声が聞こえてくる。


 そういえば小春は陸上部だったな。





 家に帰ったあと晩飯を食べ、風呂に入り、寝る。


 何気ない日常だ。


 そう、何気ない日常。


 ・・・やっぱりダメだ。


 俺はベットから起き上がり部屋を出て居間へと向かう。

 電気を付け、仏壇の前に座り飾られている小春の写真を見つめる。


「小春、お前が死んでからもう1年か」


 俺は答えてくれるはずもない義妹は話しかける。

 はたから見たら頭がおかしいんじゃないかと思われるもしれないが、これが不安定な俺の精神を安定してくれる。

「弱い俺でごめんな。俺がこんなんだからお前を守ることができなかったんだ」


『後悔している?』


「ああ、後悔して・・・え?」



 そして俺の意識は暗転した。






  う、ここは?

 

 目を覚ますと、そこは居間ではなく目の前にあったはずの仏壇も無くなっている。

 辺りを見渡すがどこまでも闇が広がるばかりでなにもない。


『あなたにチャンスをあげる』


 若い女性のように澄んだ声が聞こえ聞こえる。

 辺りを見渡すが誰もいない。


「誰?」


『私は・・・そうね《アナ》とでも名乗ろうかしら』


「じゃあアナここはどこだ?」


『ここは私が創り出した空間。具体的な場所はあなたたちの世界でいうあの世とこの世の境目というところかしら』


「え、俺って死んだのか?」


『違うわ、私があなたを呼んだの』


「何のために?」


『突然だけどあなたは妹に会いたいと思わない?』


「妹って小春の事?」


『そうに決まっているじゃない。馬鹿なの?』

 うぜーー!!

 ・・・はっ!ダメだ相手のペースに乗せられたら。

 そう、俺はクール、クールに振る舞うんだ。

 それに今は質問が大事だ。


「妹に会いたいとはどうゆう事だ?」


『察しが悪いわね。会わせてあげるってことよ。ただし条件つきでね』


「会わせる?条件?一体それは?」


『ああもう、説明めんどい!と・に・か・くこれからあなたをあなたの妹がいる世界へおくるわ。後のことは自分で考えなさい』


「い、いやいやいや全部なげやりかよ!しかも条件ってやつをまだ聞いてないし!」


『あ、忘れた。このことを私に言わなければ条件なしで妹に会うことができたのに、あなたってMなの?』


 あ、やばいそろそろキレそう

 俺耐えたよね?キレそうになったけど必死に耐えたよね?

 よし、俺は一言物申す


「おまえなぁ『その条件て言うのわね』


 ………俺は諦めた


『その世界にいる勇者を殺して頂戴』


「はぁ?なんで?」


『理由なんてどうでもいいじゃない。とにかくあなたは私のいうことを聞いていればいいの。どっちにしてもあなただってあれを見たらすぐに殺したくなるわ』


「それってどうゆう」


『はい転送』

 話を聞けーーー!!


 俺の意識は闇の中へ落ちていった。

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