第1話 魔王の娘リーリエっ!
第1話 魔王の娘リーリエっ!
「…きて。ねえ起きて」
身体を揺さぶられ徐々に意識がはっきりとしていく。しかし、今のこの状況は理解できないでいた。なぜ俺はこの超絶美少女にベットの上で起こされているかというのが一番の疑問だ。銀髪ロング、年齢は14歳ぐらいだろう。しかし、その容姿からは想像できない独特な雰囲気を持っていた。
「良かった、気がついた。」
少女は安心した様にニッコリと微笑んだ。えっ?天使か何かなの?
「君は誰なんだい?」
先ほどのドキドキは収まらないが、とりあえず名前を聞いてみることにした。
「私?私はリーリエ。フィン・リーリエ。」
「そっか。なあフィン、これはどういうことなんだ?」
フィン・リーリエと名乗る少女に続けて質問をする。自分が思い出せる最後の記憶はラスボスである魔王と戦うところまででそのあとは全く覚えていない。あ、自分がこの物語の主人公で勇者やらせてもらってます。
「リーリエでいい。ここは私の部屋」
「そうじゃなくてだな。俺が質問しているのはこの状況についてだ」
「覚えて、ないの?貴方はお父様に負けてここに連れてこられたの」
その一言で全て思いだした。魔王と戦うとなったが秒殺されたこと、魔王に「スライムかてwww」とやられ際に言われたこと。その一瞬でかなり凹んだこと…。Lv99だよ?ステータスとかカンストしてるよ?伝説の装備一式装備してるよ?イベントのとりこぼしもないよ?
「どうしたの?大丈夫?」
そう言うとまたしてもリーリエが近ずく。この子が俺を看病してくれていたらしい。まじ天使。看病のお礼を言おうとしたところであることに引っかかった。
「そういえばさっきお父様って言ってたけど、リーリエもしかして…」
「私のお父様は貴方達が言うところの魔王だけど?それがどうかしたの?」
「ですよねー。」
話の流れ的にそんな気はしていた。何がまじ天使だ、悪魔の中の悪魔やないかい。まあ可愛いから許す。だが、そうなると新たな質問が思い浮かぶ。
「てか、大敗した俺に何のようだ?看病までしてくれたっぽいけど」
「それは私がペットがほしいと言っていたから、お父様が私にくれたのが貴方。分かった?」
分かりたくはないが分かってしまった。要するにリーリエは奴隷が欲しかったのだろう。世界を救う勇者はずのが魔王の娘の奴隷など情け無さすぎる。
「そうか。ちなみに俺が断ったらどうなるんだ?」
一応聞いてみることにした。
「その時はこの指輪に魔力を流すと貴方の首に巻かれたチョーカーが作動して首がもげるって言ってたような。試しにやってみる?」
そう言うとリーリエは魔力を流そうとする。
「すいません、結構です。」
この子の意思一つで俺の生死が分かれのか。触った感じも簡単に外せなさそうだ。今は言うことに従って外し方を見つけよう。この子可愛い顔してるけど怖すぎるよ。
「分かった」
少し残念そうなのを見逃さなかった。首が幾つあっても足りないな。
「そういえばお父様がペットには名前をつけなさいって言ってた。そうね、決めた。貴方は『ユウシャ』だから今日から名前は『ユウ』ね」
「おいおい、待ってくれ俺にも名前ぐらいある!俺には…」
自由を奪われ名前まで剥奪となるとさすがに黙っておけない。ここはガツンと言ってやる。
「黙って。」
「あっ…(察し)」
指輪をちらつかせ怖い顔の彼女に何も言えなかった。
「素直な子は好き。ユウ、これからよろしくね」
先ほどの言動が別人の様にニッコリと笑った。その笑顔に不覚にもドキっとしてしまったことは内緒だ。
「分かったよ。よろしくなリーリエ」
色々納得はいかない点はあるが今は素直従っておくことにした。
この瞬間、魔王の娘と勇者という世にも珍しい主従関係ができた。これからこの魔王の娘リーリエと色々な出来事が起きることを想像して肩を落とすと同時に少し胸を踊らせていたユウであった。
初投稿でわからないところもありますがコメントなどお待ちしています。
投稿ペースなるべく早くが目標です!
これからもよろしくお願いします!