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文gave  作者: うおたま
2/14

ep.2 傘借り無しってことで

2話目です。新キャラこれから出します。ミステリーはやはり難しいですね。

昼休み。いつもの静けさが図書室を包む。外は雨が降っている。

僕は本が好きだ。特に推理小説を読む。この前の鍵の事件で前橋に1本取られたのも、推理小説の読みすぎが原因でないとも言いきれない。そんな僕の優雅な昼休みを乱したのが・・・・・・。

「よ、後藤くん。こんな所で何やってんの?」

前橋だ。

「図書室だぞ!静かにしろよ!」

「後藤くん以外いないよね?」

その通りだ。図書室の静けさというのは、人が一人もいなくて静かだということだ。

「単細胞の前橋が何のようですか」

皮肉を込めて言う。

「ここで待ち合わせしてるんだけど。あ、来た!」

そちらの方を見ると、見たことある生徒がいた。

「もしかして・・・」

そう、同じ文芸部1年 白川(しらかわ) (じゅん)だった。いかにも元気の塊のような前橋とは一風違った雰囲気で、優しげのある静かな性格の人だ。前橋より少し髪が長く、結んでいない。

「こんにちは。耀華ちゃん。型武くんもいたんですか」

「じゅんちゃん、こいつはいたと言うより、図書室の幽霊っていうか」

「誰が幽霊だ」

他愛もない会話をしている中でも、白川の表情は曇ったままだった。

「そういえば、白川さんどうしたの?」

「後藤くんは聞く義理がないでしょ」

「いいんです。どうしても解決したいので、聞いてもらいたいんです。」

ん?どういうことだ?


それは朝のことです。今日はずっと雨ですよね?なので傘をもって学校に来たんです。すると、私の友人の相原さんが傘を持たずに来たんです。

「おはよう!」

「おはようございます。濡れちゃいますよ。傘入りますか?」

それからは2人で学校に行きました。そして学校へついた時、

「ホントありがとね!」

その瞬間雷がなりました。私は驚き飛び上がったのですが、相原さんは全くの動揺も見せませんでした。なので会話を続けて、

「はい。私に言ってくれればいつでも貸しますよ」

でも、その後教室に着いて、外を見ると私の傘を持って相原さんが別棟に走っていくではありませんか。私は慌てて傘置き場に行ったんです。でも、傘は元通り。相原さんにはなんか聞いちゃいけないことのような気がして聞けないんです。どうしたらいいんでしょう?


「白川さん、自分と同じ柄の傘を持ってる人はいないの?」

「確認しました。この柄は私だけです」

「じゅんちゃん、相原さんが傘を借りる時は何も言わなかったの?」

「そこが気がかりなんです。悪い子ではないんですけど・・・」

「分かったぞ」

「え?」

白川は目を丸くする。ところが前橋が

「どうせまた勘違いじゃないの?」

と、冷やかす。

「とりあえず聞いてくれ。僕は相原さんは別棟に急用ができたんだと思う。傘を借りる許可をもらう時間が惜しいほどのね。だから、白川さんと別れた後、その急用ができ、すぐさま用事を済ませた」

しばらく考える前橋。ただ白川はまだ納得がいってないらしい。しかし、前橋が急ににやついた。

「どうやら後藤くんはまた探偵気取りらしいですねぇ」

明らかに皮肉だ。

「僕がどう間違えた!?」

「簡単だよ。もし、急用で借りたならすぐにじゅんちゃんに伝えたはず。でも相原さんはいつも通り過ごしてる。それっておかしくない?」

確かにそうだ。

「じゃあ、なんかあるのかよ」

「ない!」

単細胞め。

「でもそんな毎回外すような、疑ってばかりのひねくれ者とは違うからね!」

なかなか言ってくれる。

白川が不安そうに聞いてくる。

「私、相原さんになんとも思われてないんですか?」

それを言ったらおしまいだ。今一度考えてみる。

「相原さんは聞く限り、僕みたいにひねくれてないし~!かと言って白川さんの声が相原さんの耳に聞こえないほど小さいとも思えないし、前橋みたいに馬鹿じゃないし」

「今何つった?」

まずい、言いすぎたか。

「ごめんなさい!そんなつもりじゃありませんでしたぁ!」

しかし、前橋の顔を見ると真剣そのものだった。

「そうじゃなくてその前!」

その瞬間雷が鳴った。

ピカッ、ズドーン、ゴロゴロ。

白川がびくっとした。僕も無論驚いた。さらに前橋は続く。

「分かった。確かにじゅんちゃんの言う事を相原さんは守っていた。聞こえてた限りではね」

「どういうことだよ!説明してよ」

「分かった、分かった。雷が鳴ったんだよね。その瞬間のことを再現しよう。私が相原さんでじゅんちゃんはそのまま。後藤くんは雷」

何を考えてるのか?

「じゃあいくよ。『ホントありがとね!』」

「ピカッ、ゴロゴロ」

その次、前橋にどつかれた。

「違う!大きな音のあと、すぐにじゅんちゃんは言ってくれたら貸すってこと言ったんじゃないの?」

「あ、確かに」

「なら前橋は『私に行ってくれれば』って言った時に雷のあとのゴロゴロっいう音で聞こえなかった、とでも言うのか!」

まさか、そんな単純なことだとは・・・

確かに雷は朝になんども鳴っていた。理屈は通っている。

「そういうこと。つまり自由に使っていいと勘違いしたんじゃないかな?」

白川さんは血相を変えて、今にも走り出しそうだ。

「そういうことなら、私相原さんのとこ行かなきゃ!私、勘違いして相原さんのこと、避けてたかも」

その前に、と前橋が止める。

「私たちさ同じ文芸部何だから、敬語じゃなくていいじゃん。敬語禁止ね」

「それは僕も思ってた。お固いなってさ。よろしく」

「耀華ちゃん、型武くん。・・・ありがとうござ、ありがとう!」

「早く行ってあげなよ。相原さんもきっと心配してるよ」

初めて見る白川の顔いっぱいの笑顔。僕も少し役に立てただろうか?

「二人とも息ぴったりだね」

どうやら前橋には聞こえてなかったらしい。僕は聞く。

「なんて?」

その次、チャイムがなった。

「急ごう!」

前橋に白川、そして僕。文芸部1年。これからはじまっていくのだ。

まだ浅くしか考えつきません。手の混んだのはこれから頑張ります!

次は、先輩でも出しますかな

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