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グローバルな?我が社

「なんだろう、経営陣が替わるってか?確かにそりゃ大変かもな、ん~やっぱりバラの肉汁は、身体中に染みわたるなあ。」

「そんな単純なことじゃなさそうなんですが・・・。」

「じゃあ、何、この叉焼の様にインパクトあること?」

「未だ具体的には分らないんですが、政治的な関わりで動いているみたいです。」

「ふ~ん、全然ピンと来ないや。うちみたいな、そこいらにゴロゴロした中小企業に政治の力がかかっているなんてね。所詮会社の歯車の一部、僕にとってはどうだっていいことかな。伊東ちゃんが、そんなことに興味をひかれるって何か掴んだの?」

「実は、俺、今、ある団体の人と交流があってですね、その人から聞いたんですよ。」

 ある団体?名を出さないとはちょっと気にかかる。まさか怪しい秘密結社に加入しているとかはないだろう。なんとかメイソンなんて言われても、冗談だろうし、無神論者の彼が新興宗教に染まることも考えられないしな。

「どんなこと?」

「今回の健康福祉税は、デブを標的にして税収を上げることが真の目的じゃないそうです。もっと大掛かりな政治戦略が待っているらしいですよ。そのテコ入れに考え出されたとのこと。」

「ふーん、でその政治戦略ってのは?」

「その人はその政治戦略が具体的に何なのか、政治界だけでなく、政財界、広く海外の先進諸国に渡って探っているんですよ。」

「へえ、結構大物な人物そうだね、なんて人?」

「残念ながら素性は明かさないことときつく言われていましてね、でも話を聞けば吉積さんも絶対はまって共鳴しちゃいますよ。」

「海外にまで顔が利く人ねえ、・・・話がグローバル過ぎて、僕には全然響いて来ないよ。やっぱりこの肉の味わい位に度胆を抜かれないとね。それで、その人の話と我社の話とどう繋がる?まだ怪しい動きと云うのも聞いてないしね。」

「それがですね、つい最近、外回りがない時ですが、俺は午前中にトイレに行ったんですよ。」

「そうだ!、伊東ちゃんって、必ず11時ちょい前に必ず大きいのを体外へ放出にいくよな。意気なり鞄から携帯電話を取り出して、すくっと立ち上がると、黙ってスタスタと席を離れるよね。」

「・・・・。」

「それに午後2時頃にも行くよね。毎日2回も出せるんだ。3日間隔サイクルの僕には羨ましいかぎりだね。なんかヒケツでもあるの?」

「1日2回がそんなに気になりますか?ウXコの話をしたいんじゃないんですけど。」

「アハハハ気に障った、ゴメン、それでウXコしててどうなったの?」

「もういいです。タンマリ肉食って下さい。」

「そんなに怒らないで、ちゃんと聞くから。またいつかこんな店に連れてってもらうためにも、その話お伺い致します。」

「そういう賎しい思惑じゃあなあ、・・・まあ、一応話しときます。」

「フンフン、話して話して。」

「俺はいつも、12階の総務部の奥にあるトイレに行きます。」

「フンフン、なんで?そこまで行くの面倒臭いじゃん。」

「シャワートイレが、便座一体型多機能トイレなんですよ。」

「フンフン、やつらのやりそうなことだ、知らなかった。」

「快調に済ませて、スーパーシルクマイルド洗浄を味わっていた時にです、2人のオッサンの声が耳に入ってきたんですよ。」

「フンフン、誰?誰?」

「”上川君、それで期限に間に合いそうなの?”

 ”常務、かなり厳しいですが、やるしかないんでしょう?国は自分の都合しか考えてないですからね。”

 ”全く勝手だ、補助金を打ってやる、だから誘致先の基本設計を1ヵ月で提出しろだと。”」

「安養寺常務と上川企画財政部長か、政府からの御達示ねえ、うちって国と関わるほどのそんな力なんてあったっけ?それで、それで?」

「”でもこれは、間違いなく我社が始まって以来の大チャンスだ。何の変哲も無い一塊の子会社が歴史上に名を残すかもしれないんだよ。絶対に引き受けるんだよ。”」

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