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デブしりとり

「そこも分からないんですよね。いったいこれから何の業界に転身するんでしょうか?何処で話を進めているのかPCSになっていて。」

「なに、そのパンチカードシステムって?出勤届けに関係あるの?」

「パーフェクトコンフィデンシャルセキュリティーですけど。」

「そうかそうか、いくらPCSたって、全部隠すなんて無理じゃないか?会社が業種変えるって想像もつかない、それなりの動きが見えるはずだよ。株主達にも説明していかないといけないだろ。減量推進化室がまた暴挙に出ただけかと思ってた。」

「それがですね、情報を掴んだのはそこからなんですよ。」

「エエエエ!人事や企画管理じゃなくて?」

「シー、PCSですよ。」

「ただの一部署じゃないか、それもデブ粛正というくだらない仕事して。入口の門前で、ブーデー社員達の猛抗議を見ただろ。あの糞SMハゲが会社の命運を任される?そんな実力者とは、全く思えんがな。」

「その汚い中傷した言い方、推進室と何かあったんですか?」

「あたりま・・・いや、誰だって、自分を攻撃するような事をするものには、我慢ならないだろう。健康消費税を実施している国にも同じ気持ちだぜ。」

「やっぱり、ダイエット出来そうにないんですか?」

「その態度が怒りを買うんだよな。巷の奴等は、努力が足りないとか、意識が駄目とか、だらしが無いとか平気で言うけど、デブもデブなりに頑張っている所は全く見てねえ。」

「どのくらい頑張るですか?」

「ほら、もうその二の矢、俺達に対して軽蔑視している感覚がビンビン伝わるんだよ。」

「被害妄想ですよ。」

「まあ、いいじゃないか、とにかく会社が何か他の業種に鞍替えしようとしているのが確かなら、俺もリストラされるということか。」

「え?どうして係長が解雇されるんですか?」

「お前、頭悪過ぎじゃねえか。SM推進室が主導権を握っていれば当然だろ、会社再構築の中枢の業務がデブ人間を邪魔にしているということだろ。」

「デブが必要ない業種ってことですかねえ?あ、失礼しました、係長が必要ないじゃありませんから。もしかして、ダイエット食品販売とかスポーツクラブとかに参入ですか?」

「君は、思い付いたままにしか発言してないか?そんな煮詰まった需要の業界に参入してメリットあるかい?」

「健康消費税対策で見込めると思っているんじゃ。」

「無理無理、そんな素人的な思いつきで儲かるんなら、もうあらゆる金亡者達が動き出してるよ。」

「じゃあ、何ですか!」

「別に君を怒らせている訳じゃないよ。俺なら・・・分からん。」

「なんだ、一緒じゃないですか。う~ん、再建にはデブ不要、デブが居なけりゃ大儲け、儲けるためにデブ追放、デブ追放の業種替えかあ。」

「なんか、そのデブを起点にしたしりとりのような関連付け、ムカつくなあ。」

「真剣に考えているんです。」

「ふーん、そうかぁ?」

「あ、その返事、この情報を持ってきた僕を信頼してないと受け取れましたが。」

「あーゴメンゴメン、こんな大切な機密事項を話してくれて、本当に有り難う。この後、進展があったらまた教えてよ。僕も、出来る限り、探ってみようかと。」

「何処か宛てがあるんですか?」

「うん、SMハゲ・・・いや、伊東君が以前、会社のデブ粛正に何か別に目的があるんじゃないかって言ってたんで、その後何か分かったか聞いてみようかと。」

「へえ、伊東先輩がねえ、そういえば、先輩、労組の執行部に入ったって聞きましたよ。」

「え?、あの組合嫌いの伊東君が?」

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