帰り道
夏です。水色な季節です。
暑い。
もうひたすらに暑い。あまりにも暑すぎて息がしづらい。
やばいよ、地球温暖化。
そんなことを考えながら、私は自転車にまたがった。
高校の校門を出て、家へ。
今日はやりたいことがあったから、すぐに家へと向かうことにした。
毎日毎日同じ通学路。途中、河原の横を通る。
さわさわさわ……
川が流れる音と草や花同士が触れ合う音。
私はこの河原が好きである。
とくに理由はないのだけれど、なんだか落ち着くので好きである。
河原沿いの道は、いつも自転車のスピードを落とす。
ここの風は、爽やかで涼しくてとても心地が良い。
河原沿いの道が終わる。
自転車のスピードを上げる。
小学校越え、坂を登って、古臭いポストを過ぎる。
自転車を置く。
築何年だろうか。
ばあちゃんが子ども時代から過ごしてるこの家が我が家。
家の戸を引く。
「ただいま。」
靴を脱いで、手を洗う。汗だくだから顔も洗う。
そして自分の部屋へと向かう。
扇風機のスイッチを入れ、私は原稿用紙を探す。
確か中学の時の残りがまだあるはず。
……ほらね、やっぱり。
机に原稿用紙と筆記用具を出した。
今日、私は、あの人のお話を書き始めます。