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第一章 ある日常の崩壊

 はじめまして。

 井草と言います。

 この作品は、悪魔と魔術をテーマにした作品です。

 

注:最初らへん微妙にグロイかもしれません。

   警告タグつけたほうがよさそうでしたらまことに申し訳ございませ      んがお教えください。

 

 数個の説明のない固有名詞が出てきますが、これは何も事情を知らない主人公の視点で書いたためです。

 これらの謎は後に投稿されるはずの作品で明かされる……はずです。

また表現…というよりは、文章力そのものに問題がありますが、案は結構な歳月練ってますが、実際に書いたのは初めてで、当然ながら投稿も初めてなので、多めに見てやってください。

 

 

 僕は彼女に救われた。

 そして、あの血塗られた夜―僕が塞ぎ込むきっかけとなったあの事件から半年余り。

 多分だれにも想像できなかっただろう。僕だって馬鹿げているとしか思えない。

 僕の平凡な人生をめちゃくちゃに変えた、あの悪魔に戦いを挑むなんて。

 「士郎は強いね」

 いつも彼女は悲しく微笑むだけだった。

 嘘偽りのない笑みが見たい。

 だから彼女は、凜は、僕が助ける。


 最近、父と母と姉は喧嘩ばかりしていた。

 ~するのが姉のためだ、と主張する父。僕のことはどうするの、と反論する母。二人ともやめて、と止めに入る姉。

 こんな日常が続いていた。

 だから余計に変だったんだ。

 いつも冷凍食品ばかり使っていた母が、その日に限って手料理のフルコースを作ったことも。

 残業残業…といつも夜も更けたころに帰ってくる父が、その日だけは夕食に間に合ったことも。

 顔を合わせたら喧嘩をするのが日課になっている大学生の姉が、その日お小遣いをくれたことも。

 何より家族みんなが笑い合っていたことが。

 でも僕は気づかなかったんだ。いや、気づけなかったのかもしれない。

 とにかくその日は全てがおかしくて、でも僕は久々の家族団欒に浮かれて気付かなかった。

 そのあと僕は学習塾に行った。だから今でも悔いている。

 行ってきますって言えばよかった。

 

 塾が終わってからはいつも通りだった。

 先生に質問をして、友達としゃべりつつ家路に着く。

 友達と別れて一軒家の玄関を開けると、やけに肌寒かった。

 そのひんやりとした空気は、帰宅を告げる声のボリュームを下げるには十分だった。

「た…ただいま……」

 遠慮がちにそう言ったが、当然のように返事はない。

 聞こえてないだけかもしれない。そう思って玄関から一番近いリビングのドアを開けたが、明かりが着いていただけで誰もいなかった。

 ガタっと何か小さなものが落ちたような音が二階から聞こえた。

 なんだ。みんな上にいたのか。もう寝たのかな? 

 と思わずホッとしながら、階段を上がっていく。

 そして、父の書斎のドアを開けた時、僕の運命を大きく変える映像を見ることとなった。

 血の海だった。

 部屋のドアを開けた瞬間、その赤さに目がチカっとした。その悪臭に鼻から空気が吸えなくなった。

 部屋のいたる所に肉片が散らばっていた。

 布切れも散らばっていた。

 あの布の柄には覚えがある。だいぶ前に姉が自慢していたブランド物のデザインだ。

 今日姉はあれを着ていた。

 部屋の真ん中に見覚えのある首があった。

 顔は潰れているがあの髪型から察するに、父と母の首だ。

 そう理解した瞬間、僕の頭の中で白と黒一色の光景がフラッシュし始めた。

 落ち着け。これは夢だ。現実に人ができる所業じゃない。

 一度目を瞑ってそう暗示をかけ目を開いた。

 映像は先程と変わらなかった。否、なにかがいた。悲惨な光景に気を取られていて、気づかなかったらしい。

 地獄絵図の中に小さな黒い生物が、動かない誰かの四肢の一部を口にくわえて―咀嚼して―飲み込んだ。

 その生物は人間のような外見をしていた。

 僕に気づいたのかこちらを向いた。その顔は普通の生者のものではなかった。

 体と同様の黒と緑のゴツゴツとした肌に覆われていて、片目は潰れている。

 口の周りは血で赤く染まっており、耳や胸からは蛇がチロチロと動いていた。

 そいつはゆっくりと立ち上がった。

 あいつはヤバイ。逃げないと殺される。

 本能的にそう思い、走り出そうとするが足が動かない。

「結界の中に入ってくるとは。上月士郎、君は親の努力を台無しにする気か? それとも何も知らずにここへ来たか? 」

 とそいつはしゃべりかけてきた。

 しかし、言ってることの意味がわからず、足も動かないので睨むことしかできない。そうしていると

「……こんな簡単な魔術もとけないとは。どうやら何も知らないようだな。滑稽(こっけい)滑稽。ついでにお前も食ってやろう」

 そう言うとそいつの手に変化が起きた。爪が一本少しづつ伸びていく。その爪は部屋の明かりを反射して剣のように輝いていた。

 その爪をもう片方の手に走らせ鋭さを確認すると、こちらへ歩いてきた。

 相変わらず足は床に縛りつけられたように動かせない。死を覚悟したその刹那

『あなたはきっと見えるはず。天井を見て。それが見えたのならあなたはきっと感じるはず。そこから流れ出る力を感じて』

 暗示をかけるように、少しかすれた女の子の声が頭に直接響く。

 その声には聞くものを従わせる不思議な力があった。その指示によって上を向くと、天井に穴が開いているのを見つけた。よく見るとその中にはさまざまな光がうごめいていた。そこに意識を集中させるとそこから溢れてくる何か不思議な気を感じた。

『期待通りね。あなたにはできる。その力に自分の周りにくるように念じて』

(もしかしたら……助かる? )

『それはあなたしだいよ』

 やるしかない。そう思って念じてみると、穴から気のようなものが流れてくる。

『まだよ、まだ足りない。もっと強く念じて』

 声が強く響く。かなり切迫しているようだ。ふと前を向くと、あの生物が一歩また一歩と近づいてきていて

「ディアポータに気づいたか。……ほう、いきなり魔力を扱えるとは。どうやら素質があったみたいだな。若い芽を摘むのは気が置けるが、いたしかたがない」

笑いを堪えたかのような声で話しかけてきた。

 急がないと。

 再び上を向き、気のようなもの―魔力に念じる。

 だが、少しづつしか集まってこない。

 早くっ! 

 両手を上げ、その力を必死にかき集めようとした。

『もう少しよ』

 しかし奴も近づいている。

「早くっ! 」

 叫んだ。その瞬間、

『オッケーよ。そのくらいで十分。その力を全て足に念じて送って』

 これで何も起こらなかったら……おぞましい想像が容易にできた。

 でもそれ以外にできることはない。そう割り切って、指示に従った。

 すると、足がじょじょに暑くなってきて……金縛りのようなものがとけた。

「ふん、術を解いたか。死に際で魔術に目覚めたとは。だが残念、付け焼刃の魔術で負けるほどわたしは弱くない。それよりも士郎君。両親から何も聞いてないのだろう? と、なると君は何も知らずに死んでいくことになる。だがそれではあまりにも可哀想だ。せめてわたしの名前だけでも聞いていくがよい」

 やつは哀れみを込めた声でしゃべった。

「私の名はアークシェルド。ディアブロスタの王である……とは言っても何のことだかわからんだろう。しかし、ディアポートの時間がないのもまた事実。君には何も知らずに死んでもらうよりいたしかたあるまい」

 そういうと彼は爪で斬りかかってきた。

 咄嗟に横に動いたが避けきれず、肩を切られた。

 一文字に傷を負い、中から血があふれその部分が熱くなった。

 頭がパニックになりかけたその時、

『アーク…その悪魔から距離をとって、そこでもう一度力を集めなさい』

 部屋の扉を閉め、別の部屋に移動する。そうして言われたことを行動に移した。

『集めたわね。ならば思い浮かべなさい。あなたは速い。風のように…いや風よりも速い。』

 ッ!? ……僕は速い。風よりも速い。

 白い(もや)のようなものが体を包む。

『成功ね。なら走りなさい。その家から脱出するのよ。やつはその家から出られない』

 その時、部屋の扉が開きだした。

 本当に逃げられるんだろうか。

『大丈夫よ。少なくとも今のあいつには捉えられない。ここはあの部屋とは勝手が違う』

「どうした。何をしようというのだね…むっ! 魔術を使ったな。簡単な術とはいえこの短時間で覚えるとは」

 さらに悪魔は部屋に入ってきて

「さらばだ若き魔術師の卵よ」

 と言いながら斬りかかってきた。

 腕を振り上げて両脇が開いた瞬間、走り出した。

 するとほんの数瞬で腕を振り上げている悪魔のよこを過ぎ、その顔が驚愕した表情になる前に部屋の外に出た。

 あっという間に階段に辿りつき……あまりの速さに頭がついていかず…階段を転げ落ちた。

 立ち上がって振り返ると、階段の上側に悪魔がいた。

「絶対に生かしておけぬ。たった数分でこの成長具合は……ここで見逃せばいづれ(わざわい)の種になるわ」

 そういって片手をこちらに向けた。

 そして何事かをぶつぶつと呟くと、その手にあの力が集まってきて……放たれた。

 それはまっすぐにこちらへと向かってくる。触れたものを溶かしながら。

『まずいわ。避けられない』

 あれが当たったらきっと僕は死ぬだろう。そしてあれをかわすこともできない。

 しかし、僕はなぜか助かる…と思っていた。

 体が勝手に動く。

 無意識に集めていたその力に僕を守る隔壁(かくへき)となれ…と命じた。

 命令どおりに盾ができた。

 僕は魔術の使い方を知っている? 

 敵の攻撃が当たった。しかし、壁は崩れない。

 悪魔はもう片方の手も使って、攻撃の威力を上げた。

 瞬間壁は壊れた。

 でももう大丈夫。

 その間に僕は走り出して―家の外に出ていた。

「お前は近い将来私に出会う。そうして何もかも失うのだ。回りのものも……おまえ自身も。全てだ! 運命からは逃げられん。後悔するぞ」

 その夜。

 僕の家からは、おぞましい声が響いていた。

 いかがだったでしょうか。

 僕なりに一生懸命書いたつもりです。

 僕はどちらかと言うと純愛ものや、超甘ったるいラブコメとかの方が想像するのは好きなのですが、書いてみると……文体が暗い。

 非常に残念なことに、僕はコメディが苦手なようです。

 また心に暗黒色の靄が溜まると、こういった少し暗めの作品が書きたくなると言うことも分かりました。

 幸いにも現在は春休み前であり、僕にとって最大の敵になるはずの春休みの課題なるものを、神の奇跡により半分ほど終わらせています。

 なので、できるだけ頑張って連載できるように書いていき、ゴールデンウィークあたりには、大きな話をひとつ終える予定です。 

 主人公の名前でも分かる人もいますように、某きのこさんのように、十年後くらいには商業作品を発表する仕事、作家、シナリオライターなどになることをを僕は志しています。

 なのでアドバイスや批評等(特に批判)を具体的に上げていただけるとうれしいです。

   ではまた次の作品で。

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