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要件定義

聞き慣れない言葉に一同が首を傾げたのを見てスカーレットは要件定義書について説明を始めた。

要件定義書とは、システム開発の一番最初に作成するものである。


システム開発の目的やシステム利用者の要望をまとめてシステムに必要な機能を検討するもとになる資料だ。


現状抱える課題やシステム導入でしたいことをヒアリングしてまとめ、システムに盛り込む機能を決めるのだ。


「要するに、皆さんが橋を作る際の要望や改善点をまとめたものです。これを元に、取り入れる要望の優先順位を決めたり、要望の妥協点を見つけたりするために使います」


要望の優先順位を決めて取り入れたり、妥協してもらう要望を決めたり……というのを確認しましょうって感じの資料ですね」

「うーん、なんとなく分かったような……」


筋肉隆々のおっちゃんが難しい顔で言う。

その横で、小太りの女性がおっちゃんの肩を叩き、勝ち誇ったようにはははと笑った。


「あれだろ? あたしたちの意見を聞いてくれるってことだよね」

「そうです! それで、皆さんの意見を元にどんな橋を作りましょうかっていうのを決めるための資料なんです!」


スカーレットの説明に、今度こそ全員が「なるほど!」と頷いた。

どうやら理解してくれたようだ。

だが、そんな3人に対し、ルーベンスがおずおずと口を開いた。


「でも僕、作り方なんて分からないです。すみません」

「いえ! いきなり作れって言われても分からないですよね。部外者なのに口を出してすみません」


口を出してそんな無茶ぶりをしたスカーレットが悪いのだ。

だが、ここまで来て何も聞かなかったと言えない。

もう乗り掛かった舟だ。そう思ったスカーレットは一つの提案をした。


「あの……良かったらボクが作りましょうか?」

「え? いいんですか?」

「はい! 皆さんにお時間があればですが」

「あたしは大丈夫だよ」

「オレも酒が飲めるなら付き合ってやるぜ」

「ほっほっほっ」


利用者3人は笑顔で承諾してくれた。

それを見ていたザイザルが愉快そうに笑った。


「おー、面白そうだな。ならワインを特別サービスしてやんよ」

「気前がいいじゃねーか、ザイザル!」


ザイザルは咥えたばこを片手で弄びながらワインを取りに行った。戻って来たときには赤ワインと白ワインのボトルがそれぞれ1本ずつと、生ハムを持ってきてくれた。


「ほらよ」

「お! これがあるなら一晩でも付き合うぜ!」

「じゃあ、さっそく始めましょう」


スカーレットはそう言って一人一人ヒアリングを始めることにした。

そしてヒアリング前に注意事項を説明した。


「これから皆さんのご要望を聞いて、色々質問をさせてもらいます。それで、思っていることや要望は全部言ってください。後で『あーこれも要望に加えて!』は無しでお願いします」


町の代表者である3人はスカーレットの言葉に頷いて了承の意を示した。

スカーレットはまず某手作りクッキーブランドに描かれた女性のような小太りの女性――マチルダのヒアリングから始めることにした。


「マチルダさんの要望は橋を早く作って欲しいということですよね?」

「そうだよ。橋がないと隣街に行くだけなのに迂回しなくちゃならないからねぇ」


「では、そのくらいまでに橋を完成させて欲しいという希望はありますか?」

「そうさねぇ。3日後くらいかねぇ」


「橋の完成が長期になる場合、どのくらいまで待てます? 半年、は無理ですよね。三か月くらいですか?」

「そこまでは待てないよ! そうさねぇ、3週間くらいなら……我慢できるかねぇ」


ルーベンスから先ほど聞いた話では、橋の復旧には通常2週間はかかると聞いた。

ということは通常の復旧方法でもマチルダは我慢できるということになる。


「マチルダさんが橋を渡る目的は隣街に行くことですよね? 他にも使う目的はありますか? 例えば、仕事に行くために毎日渡るとか、買い物に行くために一日置きに渡るとかです」


「隣街に行くのが主な目的だね。週に3日、病院に通っててね。腰が痛くて歩くのもしんどいんだよ」


そう言ってマチルダは腰をポンポンと軽く叩いた。


「なるほど、確かに週3回も通うなら、橋は早く欲しいですよね。しかも腰が痛いのに迂回となると大変ですね」

「でしょぉ? 雨のたびに橋が流れるのは仕方ないとしてもさぁ、早く直れば問題ないんだけどねぇ」


その他いくつかの質問をしてマチルダのヒアリングを終えようとした時、スカーレットはマチルダの一言が気になった。

一つは”雨のたび”、もう一つは”橋が流される”と言う単語だ。


「あの……雨のたびに橋が流されるんですか?」

「あぁ、ちょっと雨が降るとすぐに橋が流されちまう。作っても作っても流れてしまうなら、簡単な橋でいいからささっと作って欲しいものだよ」


「じゃあ、今回みたいに壊れることは珍しいんですか?」

「ああそうさね。あの程度の雨で上流の木が一気に流れて壊れるっていうのは滅多にないことだねぇ」


なるほどとスカーレットが聞いていると、サントスという筋肉隆々の中年男性がマチルダを押しのけ、スカーレットの方に身を乗り出して訴えた。


「だからさ! 頑丈な橋が必要なんだって!」

「は、はぁ」


思わずのけぞってしまったが、それも気にせずサントスはドンとテーブルを叩いた。


「いいや、絶対に早く作ったほうがいいさ!」

「何言ってんだよ、マチルダ。何回も作ってたら金がかかるだろ? 絶対に壊れない橋を作れば橋を作る金もかからねーだろ?」


「じゃあ、その間迂回して行けってのかい? アンタは隣街に行くことはないかもしれないけどねぇ、ローテルドのじいさんみたいに隣街に商売に行く人間は苦労してんのさ! ねぇ、ローテルドじいさん」


「ふぉっふぉっふぉっ」


場がカオスになる。

とにかくサントスとマチルダを止めよう。

そう思って口を開いたところで、ひょっこりとテーブルに顔を見せたのはレインフォードだった。


「スカー、何か問題でもあったのか? そろそろ宿に戻ろうって話になったんだが」

「あっ、レインフォード様。先に帰っていただいてもいいでしょうか? 実は……」


スカーレットがこれまでの経緯を説明すると、意外にもレインフォードが要件定義書に興味を示した。


「なかなか面白そうだな。俺も見学していいか?」

「はい、ボクは構いませんが」


一応マチルダたちに目配せすると彼らもレインフォードを快く迎えてくれた。


「アンタの意見も聞かせてくれよ」

「そうだな。この村じゃない人間の意見も聞きてーしよ」

「では、見学させてもらおう」


レインフォードがスカーレットの隣に座り、スカーレットは改めて場を仕切り直した。


「では続けますね。サントスさんのお話を聞かせてください」

「おう!」

「頑丈な橋を希望されていますが、その理由は何ですか?」


「うーん、そうだな。何度も作るのは面倒くさいしよ。時間がかかっても頑丈で流されない橋がいいと思うんだ」


「流されない橋ですか。もし流されないなら、頑丈さはそれほど重要ではないのでしょうか?」

「そりゃあ、流されなければいいんだけどよ。でもそれだとやっぱり頑丈な橋になるだろ?」


どうやらサントスが本当に求めているのは”流されない橋”のようだ。

その理由は橋を何度も作るのが大変だからだと分かった。


「例えば石の橋……というのでも良かったりしますか?」

「おうそうか! それなら頑丈だな」


それを聞いていた老人ーーローテルドがのんびりした声でサントスの意見を否定した。


「ふぉっ……石の橋は困るのぉ。あれはのぉ、馬車を走らせるとガタガタいって困るんじゃよぉふぉっ」


そう言えば先ほどローテルドは「せっかくの牛乳が零れてしまう」から馬車が揺れる橋は困ると言っていた。


ということは石造りの橋は、ローテルドの希望する機能面でもマチルダが希望する納期面でも難しいかもしれない。

スカーレットはそう考えながら、更に話を聞いた。


「牛乳が零れない程度の揺れであれば問題ないでしょうか?」

「そうさなぁ……そうだろうなぁ」

「……えっと、問題ないと理解しました」


微妙な返答に戸惑いながら、スカーレットはその点をメモに記した。


「サントスさん、もう少し詳しく聞いてもいいでしょうか?」

「おう、なんだ?」


「先ほどの話からすると、サントスさんが欲しい頑丈な橋というのは流されない橋ということになりますよね? もし、万が一流されてしまった場合、その頻度はどれくらいなら許容できますか? 例えば、年に1度くらいなら流されても我慢できる……とか」


「本当は絶対に流されない橋にしてほしい! だけど万が一流されたとしても、年に1回までだ。なんせ作り直すのに人手も金もかかるからよぉ」


サントスの要望の根底には、構築費用と人件費、つまり費用を押さえたいという思いがあるようだ。


ということは、マチルダのように機能的に不便だから流されない橋が欲しいのではなく、費用が掛かるから流されない橋にして欲しいというのが本当の要望だと考えられた。


ふむふむとスカーレットがサントスの意見をメモしていると、レインフォードが手元を覗いてきた。


「ずいぶん細かく聞くんだな」


「そうですね。聞き漏らしがあると後から要望を出されても、工程を戻せない場合もありますし、利用者の意図するものにならなかったりしますし。逆に、どうしても要望を聞き入れなければならなくなった場合、手戻りになりますから」


しかし、利用者の要望をここまで詳細に聞くのはシステム開発でも一般的ではない。

実はスカーレットは前世で苦い経験をしている。


システム開発が完成間近になって、後出しされた要望をシステムに組み込まなくてはならなくなり作り直したため、工期も開発費用も倍に膨らんで上司に怒られたとことがあるのだ。


同じ轍は踏まないということで、以降要件定義書を作成する際には細かく要望を聞くことにしている。

レインフォードがふと思い立ったようにサントスに尋ねた。


「貴殿は橋の構築費用を気にしているようだが、領主が出すものだろう? なぜ、貴殿らが費用を気にする必要があるんだ?」

「領主サマは橋を作る金なんて出したくねーって言ってんだよ」

「どういうことだ? 領民の生活に必要なものだ。費用を負担するのは領主の役目だろう?」


レインフォードが首を傾げて尋ねると、サントスがチッチッチッと言いながら指を左右に振った。


「甘えーよ! 橋を作っても作っても流されるから、作る金が無駄だと言って出してくれなくなったんだよ」

「そうなのか……そんなことが」


サントスの言葉にレインフォードの顔が曇り、何やら考え込んでしまった。


「領主サマは橋なんて作らないで、隣街までは迂回するようにと言ってくるんだが、毎度毎度迂回するなんて面倒だろ?」


「あたしだって腰が痛くて病院に行くのに、週3回も迂回して病院に行くのは無理だよ。他の皆もそうさ」


「んで、町の皆で金を出し合って、橋を作るようになったけどよ、金が湯水のようにあるわけじゃねーからな。これが結構な負担なんだ」


そう考えると、少しでも費用を抑えたいというサントスの要望も納得だ。

その後、マチルダとサントスの意見がぶつかって悪口の応酬になったりしつつも要望や現状の問題点を聞き、スカーレットはメモを取った。


「ここまでの内容をまとめるとこんな感じですかね。認識の齟齬はありますか?」


【要望】

・工期は3週間以内でできるもの(早ければ早いほどよい)

・工期が長い場合は仮の橋を構築

・建築費用はできるだけ抑える(現在の1年分の橋の構築費用よりも少なくする)

・流されない橋にする(年に1度まで)

・橋桁部分は凹凸を少なく


それを聞いたマチルダたちは納得というように頷いて答えた。


「あたしはいいよ」

「オレも大丈夫だ」

「ふぉっふぉっふぉっ」

「僕も異論はありません。それで、これからどうするのでしょうか?」


要望一覧をしっかり確認したルーベンスはこのようにスカーレットに尋ねた。


「この要望を受けて、対策を考える必要があります。対策を検討している中で、全ての要望を反映するのは難しいかもしれません。その場合には優先順位をつけて、どれを優先的に橋の構築に反映させるかを考えるんです」


例えば「仮の橋を作る方が利便性は向上するが、費用を考えると仮の橋は諦めた方がいい」とか、「3週間以内に完成させることに重きを置くと、その分人手を多くする必要が生じて人件費が増えてしまう」とかだ。


「それで、これらの要望は大きく分けると工期、費用、橋の形状の3つがポイントとなると思います。この3つのうちどれを重要視するか、となるのですが一番重視するのは……」


「やっぱり工期だよ!」

「いんや費用だろ!」


スカーレットがしゃべり終わる前にマチルダとサントスが間髪入れずに言い、そして睨み合った。

だが、その声が聞こえてないようにルーベンスはじっと要件定義書を見つめていたが、何かに気づいたように弾かれるようにスカーレットを見つめ直した。


「……橋の形状、これが一番重視すべきではないでしょうか?」


「はい。ボクもそう思います。もちろん3つのどれに重点を置くかでアプローチは変わりますが、今回はこれらの要件を組み込みながら橋の設計をして、微調整していった方がいいかと思うんですよね」


「なるほど。橋と言っても色々な建築方法がありますからね」


「はい。これでだいたい橋の建築についての方向性は見えたかと思います。これが最低限の要望ですので、これ以外のことは後出しは駄目ですからね。あくまでこの要件定義書に沿ってこれからは検討していっていただけたらと思います」


こうして一通りの話し合いが終わった時には、時計の針がてっぺんを少し超えた時間になっていた。

長時間の話し合いで全員の顔には少しばかりの疲労が見えたが、同時に橋の建設に向けて前進できたことに充足感を感じているように見えた。


「いやー、どうなるかと思ったけどなんとかなりそうだな!」

「そうだねぇ。あたしもこれなら町の皆にも説明できそうだよ」

「ふぉっふぉっふぉっ円満に終わるのはなによりふぉっ」


「じゃあ、詳細についてはボクがまとめておきます。あと、お節介ついでにこれからやっておいた方がいいこともまとめますね」

「おう、ボウズ、ありがとよ!」


そう声を掛けられて、スカーレット自身も嬉しくなった。

余計なお節介かと思ったが、少しでも力になれたなら嬉しい。


「本当に! 本当にどうなるかと思っていたので、助かりました! ありがとうございます!」


ルーベンスが深々と頭を下げ、スカーレットに深い感謝の意を告げた。

「いえ、突然お話に乱入してしまってこちらこそすみませんでした。では、明日また資料を作ってお持ちしますね」

「はい! お待ちしています」


気づけばアルベルトたちは先に宿へ戻っており、スカーレットとレインフォードもまた宿へと戻ることにした。


外に出ると昼の曇天とは打って変わって、夜空には煌々とした月が輝いていたが、黒く厚い雲が流れて時折その姿を隠した。


小さな町のためか、はたまた夜中に差し掛かってしまったせいか、大通りを歩いていても灯りのついている店はなく、ひっそりとしていた。

2人きりで並んで歩いていると、レインフォードが感心したように話しかけてきた。


「今日のはとても勉強になった。”要件定義書”だったか……あれはなかなか使えそうだな。スカーはどこで覚えたんだ?」


そう尋ねられてスカーレットは一瞬言葉に詰まってしまった。

まさか前世の仕事で覚えたとは言えない。

少し考えて無難な回答をすることにした。


「えっと、本で……本で勉強したんですよ」

「スカーは剣術だけじゃなく、勉学も優秀なのだな」

「いえ! 聞きかじった知識だけですから、全然優秀じゃないですよ」

「それに人から要望を聞き出すのも上手かった。どこで身につけたんだ? あれは一朝一夕で見に着くスキルじゃないと思うが」


(まぁ、前世でヒアリングは本職でしたからね!)


と心の中で言いつつ、スカーレットは笑いながら誤魔化した。


「自分ではよく分からないですけど。そ、それより長時間付き合わせてしまってすみませんでした。レインフォード様もお疲れになったんじゃないですか?」

「このくらい平気だ。城にいる時もこの時間まで執務していることもあるからな」

「それは、大変ですね」


前世でのスカーレットの残業時間もたいがいであったが、この時間まで執務するとは王太子の仕事もなかなかブラックだ。

思わず同情してしまう。


「……そういえばこんなに執務から離れているのは何年ぶりか」


レインフォードは少しだけ空を見上げて息を吐くように言った。

その瞳はここではないどこか遠くを見ているようだった。


「こうして執務から離れて旅をしていることが、夢のようで現実味がないな」

「私も、レインフォード様とこうして旅をしていることが現実味がないです」


この間までデニスと結婚してウダーデン子爵夫人になると何の疑問も抱かずに思っていた。

それがいきなりの婚約破棄で、そして前世を思い出して、自分が悪役令嬢だと気づくとは思いもしなかった。

更に言えば、推しキャラのレインフォードを護衛して旅をするなんて、一体誰が予想できただろうか。


「お互い不測の事態だったものな。スカー、一つ聞いていいか?」

「はい、何でしょう?」

「君は俺の護衛が終わったらどうするつもりだ?」


レインフォードの突然の質問の意図が分からず、戸惑いながらスカーレットは答えた。


「どう、ですか? まぁ、普通に領地に戻りますけど」

「王都に留まるつもりはないのか?」

「はい。領地に帰る予定です」


今回王都に行くのはレインフォードの護衛のためだ。

それが終われば王都には用はない。領地に戻ってのんびり余生を送る予定だ。


スカーレットはそう答えたが、レインフォードは何か考え込んでいる様子で、返事がない。

不思議に思って首を傾げながら尋ねた。


「どうかされました?」

「いや、なんでもない」

「?」


そんな会話をしている内に、町外れの宿屋に到着した。


二階建てのそれは、まだいくつかの部屋から明かりが洩れていたが、ほとんどの部屋は真っ暗だ。

もう夜も遅いので宿泊客は就寝してしまっているのか、もしくはそもそも宿泊客がいないのかもしれない。


「アルベルトはもう寝ちゃってるかな」

「リオンも寝てるかもしれないな。あぁでもリオンの性格だと起きて待ってそうな気もするな」


そう言われるとアルベルトもスカーレットを待って起きているかもしれない。


(そう言えばさっき『寝れない』って言ってたから、起きているかもしれないわ。でもなんで寝れないのかしら?)


アルベルトが寝むれない理由が分からずスカーレットは色々と原因を考えるが思い至るものは無い。


(まぁ考えても仕方ないか。できたらアルベルトにはゆっくり寝て欲しいし、後で理由を聞いてみましょ)


「じゃあ、俺はこっちの部屋だ」

「はい。ボクは隣の部屋ですね。何かありましたらすぐ呼んでください」

「あぁ、お休み」

「おやすみなさい」


ゲームでの死亡イベントは次の街――リエノスヴートでの夜襲だ。

だからこのルーダスで起こることはないだろう。

そう思いながらスカーレットは部屋のドアを開けた。


要件定義は重要です…(しみじみ)

システム構築後にユーザーから要望がわんさか出てきて泣いたのはいい思い出です。


読んでいただきまして、ありがとうございました。

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