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プロローグ



ごくりと唾を飲む音がやけに大きく耳に響く。

緊張と恐怖からスカーレットの体が強張り、呼吸をするのも忘れて息を止めていた。


目の前にはシルバーブルーの髪に金色の瞳を持つ、端正な顔立ちの青年――この国の王太子であるレインフォード・ディアスブロンが美しい微笑を浮かべているが、その目は笑っていない。ずっと共に過ごしてきたからこそ、その瞳に相当な怒りを宿していることが分かる。


「ようやく正体を現したな、スカー。いや、スカーレット・バルサー」


先ほどまで優美な音楽が奏でられ、着飾った人々が談笑している華やか夜会であった会場は、今はしんと静まり、これから何が起こるのかと固唾をのんでスカーレットとレンフォードを見つめている。

だが、そんな周囲の状況などスカーレットの目には入っていない。ただ、目の前の捕食者から目を逸らせずにいた。


レインフォードから逃れようと、スカーレットは無意識に一歩、また一歩と後ずさるが、気づいたときには、壁際まで追い詰められていた。そしてとうとう、トンと背中に壁が当たり逃げ場がないことが分かった。


「もう、逃さない」


低い声でそう言われたスカーレットは、何か弁明をと思うが上手く頭が働かない。

ただ一つ、分かっているのは、やはり性別を偽って、政務官をするなど無理があったということだ。いや、そもそも王都まで男装して護衛したのが間違いだったのか。


確かにレインフォードが女嫌いだと分かっていたのに性別を偽って騙していたのは申し訳ないとは思っている。だが、スカーレットとしても、推しであるレインフォードに死んでほしくはなかったのだ。


「スカー、俺を騙した責任、取ってもらうぞ」


そう言って、レインフォード美しい唇が弧を描いた。

その言葉で、もう逃げられないことを悟ったスカーレットは、そもそもの事の始まりを思い返した。


すみません。あとでプロローグ追加しました。

引き続き読んでいただけると嬉しいです

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