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山龍討伐一日目(4):動き出す討伐クエスト

 会議室は慌ただしい様子だった。

 赤い羅針盤の代表と、赤い羅針盤のメンバーが数名。

 見たことがない顔ぶれは、きっと赤き農民のメンバーだろうか。

 ギルドマスターを中心にして、あーだこーだと言い合いをしている。


 聞こえてくる話をまとめると……

 どうやら、この山で山龍の大量発生したらしい。

 昨日までは山龍など影も形もなかったのに、今日になって急に観測された。

 何らかの理由で山自体の魔力が活性化した可能性があるらしいのだけど、原因は不明とのこと。

 そして『ギルド』から「討伐クエストを発行する」と連絡が来たらしい。


 ちなみに……『ギルド』というのは、黄金や赤き農民、赤い羅針盤などのギルドを統括する組織の名前らしい。

 ギルドを管理するギルドであることから『ギルドギルド』と名乗ることもあるけれど、普通は省略して単に『ギルド』と呼ばれているのです〜。だとか……

 (シロヒメさんによる補足)


 ギルドがクエストを発行すると、数十人から数百人の冒険者が集まることになる。

 そして赤き農民はホストとして彼らをもてなさなければならないし、しかも冒険者達は「山龍を討伐するためなら何をしてもよい」状態に近いらしく、ギルドクエストのあとには大抵、荒れ果てた土地だけが残ることになる。

 そんなわけで赤き農民のメンバー達は、ギルドクエストが発行されるのに大反対している。

 赤い羅針盤の人達も、取り分が減ることになるとかで、反対気味。

 シロヒメさんたちは……山龍がいるなら、私たちが狩りたい! と、やる気に満ちているようだ。


 そんなわけである程度情報が集まったタイミングで、赤き農民のギルマスが全体に向けて号令をかけた。

「よし、これから方針を伝える! まず、傭兵たち! お前達は山龍の討伐を! ギルドがクエストを発行されるのは二日後。それまでは、許可なく山へ入ることを禁止しておいたから、可能な限り山龍を討伐して欲しい!」

「かしこまり〜、ました〜!」

「まかせろ……だぞ☆」

 シロヒメさんとクロヒメさんは、与えられた仕事に満足したように、腕を鳴らしている。


「次に……探索ギルド。お前達は、傭兵のサポートと、人捜しをお願いしたい」

「人捜し……ですかい?」

「ああ、そうだ。お前達がここに来る前のことだが、冒険者が一人、結界の中で消息を絶っている。フードを被っていたから人相はわからないが……山の中で、一人で行動しているはずだ。見つけたら保護して欲しい」


 山に一人で入って、しかも遭難するとか……それは自業自得な気がするけれど、山を管理する赤き農民としては、下手に怪我でもされると困るのだろう。

 まったく、迷惑な冒険者もいたものだ……おかしい。なぜか、天に唾を吐いているような空しさがある。


 まあ、とにかく。


 自分は、赤い羅針盤のチームに入るのではなく、シロヒメさんクロヒメさんと一緒に、山龍の討伐へ向かうことになった。

 森の結界は相変わらずの様子で、誰か案内役がいないと、すぐに道に迷ってしまうとのことで、仕方なく。

 ライアだけ連れて行くという選択肢もあったのだけど、ライア本人に「チシロも共に」と頼まれたこともあり、誰からも文句は言われなかった。

 まあライアは、自分という冒険者よりも、フードの中の空間が目的な気もするけれど。


 そんなわけで、チーム分けはだいたい決まった。

 自分たち以外のチームは、赤き農民の冒険者を中心にした山龍討伐部隊がひと組。

 それ以外は、赤い羅針盤を中心にした山龍の調査隊、兼、遭難者の捜索隊。

 赤き農民を中心にした、本部で情報をまとめて指示を出す部隊。


 調査隊は、早速森に入って調査用の機械を取り付けにいったけど、自分たち討伐隊が動くのは、明日からになりそうだ。

 日が沈んでからは、山龍を含めた魔獣が活発に動き出すし、山龍の位置や数がはっきりしないうちに行動してもあまり意味がないということで。

 クロヒメさんは「そんな心配は無用なんだぞ☆」とやる気に満ちていたけれど、シロヒメさんに「今回は〜、私たちだけじゃ〜ないので〜」とたしなめられていた。

 いや、ほんと。自分みたいな足手まといが一緒で申し訳ない……


 ちなみに赤い羅針盤の人達は「結界のパターン解析も終わったし、戦わなくて良いなら大丈夫」とのことだった。

 長い間探索ギルドをやっていて、こういうことになれているのかもしれない。

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