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【あいうえお作文】乙女ゲームの世界に転生したので自分なりに頑張った結果


「あいうえお作文」

ふと思い立ってチャレンジしてみました。

かなり強引な部分もありますが、温かい目で見ていただけると幸いです。



 ある日の生徒会室


「一番乗り〜」


「ううん、僕が一番だよ」


「えっ? その声はルイス殿下」


「おほほほほっ、私たちもおりますわよ」


「カトリーナ様! キース様にスチュアートも!」


「君が一番最後だよ」


「くっ、悔しいっ!」


「結局いつもの順番ですね」


「今度こそっ! あっ、もう『今度』はないんだった……」


「寂しくなりますわね……」


「しんみりするのはやめようぜ。会おうと思えばいつでも会えるだろ?」


「スチュアートの前向きなところにはいつも助けられましたわね」


 生徒会室にはいつもと変わらず穏やかな時間が流れていた。


 そんな空気を壊す様に、大きな音を立てて生徒会室の扉が叩かれた。



「楽しそうなところ悪いが、ローズを借りていくぞ」


 長身眼鏡で大人の色気溢れるスーパーモブのレイモンドが入室した。


 つい、見惚れてしまったローズが我に帰る。


(適当な理由をつけて、ひとまずお引き取りいただかなきゃ)


「突然どうしたんですか? レイモンド先生」


「何をとぼけているんだ? 式が終わったら研究室に来いと言っただろ?」


 逃げようとするローズの腕を掴み引き摺って行くレイモンド。


「ぬうっ、私には推しカップルを最後まで見届けるという使命がっ!」


「寝言は寝て言え」


「ノー慈悲!!」



*****



「はぁ……学園での推しカプを間近で見られる、最後の時間だったのに……」


 昼間でも薄暗い研究室に無理矢理連れてこられたローズは、大きくため息をついた。


「ふん、この3年間散々見ただろ? 教師の俺と会うのも最後なのにアイツらの方がいいのか?」


(平気で「最後」とか言えちゃうんだ。やっぱり先生は私の事なんて……)


 本気で落ち込むローズ。


「まだ拗ねているのか? この前『もう子どもじゃない』って言ってなかったか?」


 眉間にシワを寄せるローズ。


「ムッ。言ったけど、『はいはい』って流したくせに……」


 メガネクイッ


「もうそろそろ機嫌直せ」


「やだ」


 ゆっくりと顔を近づけるレイモンド。


 予想外に近づけられた顔を直視できず、誤魔化すように視線を逸らすローズ。


 ライトに照らされた影が揺れる。


「理性を保ち続けるのも大変だったんだぞ」


 瑠璃色の瞳が熱を帯びる。


「レイモンド先生……」


「ローズ、卒業おめでとう……好きだ」


「わっ、私もっ……ぐすっ、うっっ……大好き……」


 をしむ様に頬を撫でる手が顎に添えられ唇が重なり、次第に深くなる口づけに脳の奥が痺れたローズは、甘い吐息を零した。


「んっ……」




〜fin〜





この度は私の拙い文章を読んでいただきありがとうございます。


念のため補足としましては、ローズはヒロインで転生者、ルイス、キース、スチュアートは攻略対象、カトリーナは悪役令嬢、レイモンドはモブです。


ローズにとって、ルイスとカトリーナは推しカップルだったので、ローズは二人の仲を全力で応援し、全校生徒が羨むほどの仲睦まじいカップルが誕生しました。


モブのレイモンドは前世からの推しで、ローズの方から積極的にアプローチしました。


ローズはレイモンドの事が好きだけど、猫を被ったりはせず、素の自分を曝け出していました。(推しカップルの二人が大好きとか)


そんな素直なローズをレイモンドはいつからか愛しく思っていましたが、先生という立場を気にして、卒業式が終るまで気持ちは伝えていませんでした。


最後までお読みいただきありがとうございました。



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― 新着の感想 ―
[一言] はぇ〜すっごい、『メガネクイッ』が好きです。
[一言] すげぇの一言です。 まさかあいうえお作文でこんな面白い物語が作れるとは…!! 素敵な作品を読ませて下さりありがとうございます!!推します!!
[一言] 「あいうえお作文」書けるなんて、すごいです! 「を」って日本語じゃなくても、むずかしいですね 。 何かないかと思いまいしたが、wanted(ウォンテッド)やVombatus(ウォンバット)…
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