後日談
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◆◆◆13:30 病院◆◆◆
「「「──火神ぃいいいいいッッッ!!!!!」」」
「ぃだッ!!?!? ちょ、おまッ! いきなり抱き付くな!!」
号泣しながら抱きついてきた西園寺を、右手で押し退け怒鳴る!
──さて……何故オレが病院に居るのか。そこから説明しよう。
■■■
犬神を浄霊した直ぐ後、オレと土御門さんはあの地下空間にて気を失ってしまったのだ。
──慌てた鳳凰が直ぐに西園寺の親父さんを呼びに行き、親父さんは病院へ即、連絡を入れてくれた。
地下空間の事は親父さんも知らなかったようで……今後、詳しく調べていくらしい。
……病院へと運び込まれたオレ達はつい先程、目を覚ましたのだ。
ああ、一応言っておくが……土御門さんとオレの病室は別室だからな、チクショウ!
それと医者の話しによれば、オレの左腕の骨はポッキリいってるらしい。何針かは忘れたが縫ったらしいし……。
……あと、土御門さんの手の火傷は残念ながら痕が残るかもしれないとのこと。
まぁ、それでも……代償以上の成果は得られたとオレは思っているし、土御門さんも『後悔してない』と笑って言っていたそうだ。
■■■
──はい、先ず一つ目の説明終了!
次に二つ目!
……オレは西園寺の頭の上を見ながら、西園寺に問う。
「お前さ……今、頭が重くない?」
「うぇ!? お、重いけど……や、やっぱり何か憑いてるのか!!?」
──うん。憑いてる……というか、乗ってる?
何がって──仔犬が。
「なぁ、狐。なにあの可愛い犬?」
『……犬神だな、だいぶ力を失っているが』
「──はぁ!? え、なに?? もしかして浄霊は失敗したのか!!?」
オレは声を荒げ、狐に問う。
「──え、なに!? お前ダレと話してんの?!??」
西園寺はビビりながら言ってくるが、すまん。説明が面倒だから無視させていただく!
『違う。浄霊は成功した……だが、犬神の怨念もまた強かったと言うことだ』
『──キャン!』
な、鳴き声まで愛らしくなってまぁ……。
「それはどういう事だ?」
オレの問いに、狐は一つ咳払いすると──、
『──あの家から解放してくれた事には感謝しているワン!
だがしかし、それで全てがチャラになんてならないんだワン!
この家の奴に酷い事されたのは歴とした事実!!
だからこそ……もうあんな事はしないと誓うと共に、キチンと反省した証を見せてほしいんだワン!!!』
………………と、仰られた。
あの「キャン」の中にこんな長文が隠されているなんて、犬語ってスゲェな!
「──えっと具体的には何をすれば良いんだ?」
そう訊くと、
『キャッ……キャン!』
『えぇと……毎日、新鮮なお水と食べ物が欲しいワン!
あと、これは出来ればだが……お腹いっぱいに食べたいらしい』
──成る程。
「おい、西園寺」
「なんだ!? 何か分かったのか!!?」
「──今すぐ、ドッグフードと水を書斎のラジオのトコに供えろ。
いいか、毎日ちゃんと供えろよ?
オレみたいになりたく無かったら、絶対に欠かすな。親父さんにもそう伝えておけ」
ドスを効かせた声で、オレは西園寺へと告げる。
──そして最後に、
「もし供える事を忘れたり、供え物の量をケチったりすれば……またラジオから『声』が──ッ」
そう脅しておく。
ま、西園寺は真面目な性格だからそんな事しないだろうけど……念には念を──てな?
「じゃあオレもう寝るから! オヤスミー!!」
「──はッ、え?? ど、ドッグフード!? ドッグフードを供えればいいのか──??? でも、カリカリとベチャベチャどっちを供えれば!? いやもういっそ両方供えれば良いのか!!? そうなのか!? 火神ぃーーーッ!!!」
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