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血の契約  作者: 末弟
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孤児院にてPart2

朝食後、教会の食堂に残ったユキは、祭服を着た老人と茶を啜りながら話をしていた。


その内容は今日向かう学園の事だが、祭服を来た老人は深いため息をついていた。


台所にてユキとユウスケが気になっていた事をこの教会の神父でもあり、身寄りのないユキ達を引き取り育てた人物、ブライにユキは相談をしていた。


「やっぱり、出ていった方が良いかな…………」


テーブルにうなだれながらそう呟くユキは、ここ数日間、ずっとため息をついていた。


過去に何度か相談に乗っているブライでさえも今回の事について良い案が無く、ユキと同じようにため息をついてばかりだ。


何がこんなに二人やユウスケを悩ませているのか?


その事の発端は、半年ほど前にユキに依頼された絡新婦の退治から始まったと言える。


半年前、ユキ達が住む街で10代の子供や妊婦ばかりが夜になると何者かに拐われ、そのまま行方不明になる事件が多発するようになった。


基本的にこの街での事件は国の警備部隊が事件の解決をする事になっているが、外部の者に協力を仰ぐ場合もある。


そして、この絡新婦の件に関して事の真相がわかると解決方法が難しいと判断した警備部隊は、「モノノケ」を退治出来る者を探すことになった。


それが、ユキとユウスケの二人だ。


まず、「モノノケ」を退治出来る者がこの世界には限られた存在でしかなく、二人の名が街で知られている理由の一つでもある。


また、二人の年齢も10代と都合がよく囮にする人材も必要なくて済むと言う点で今回の話が二人のもとへやってきた。


それが半年前の事で絡新婦と初めて邂逅し、二人の手によって3日後に絡新婦は無事退治されたのであった。


しかし、半年経った今でもユキ達は絡新婦の件についてとらわれていた。


憑依された人や周りの人物、その後の経過は特に問題なかったのにだ。


ミツケタ………


その一言を除いては、である。


その台詞は消え去る前に呟いた絡新婦の一言


自分(ユキ)だけに聞こえた声


それも直接頭の中に響き渡る様に聞こえ、今でもあの一言がユキの頭から離れないでいた。


その意味がなんなのかずっと気になっている。


いや………ユキ自身も密かに気付いてはいるが目を逸らしているだけに過ぎない。


自分の奥底にあるモノ


絡新婦を退治出来る力だけでなく、他にも人とは絶対的に違う力がある事をユキは知っている。


その事に関してはユウスケやブライも知っている。


だから、その二人に今回の事を打ち明けたのであった。

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