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血の契約  作者: 末弟
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序章



静かな夜の街を2つ人影が月明かりを頼りに広い街道を歩いていた。


その2つの人影は会話をしながら歩いているがしきりに周りの様子を気にしており、たまに立ち止まっては自分達が歩いてきた来た道を振り返っている。


そんな事をしながら街中をしばらく歩いていたが、2つの人影がようやく足を止めると突如光の球体が現れフワフワと夜空に登っていく。


光の球体は程度上昇すると停止し動かなくなると夜の街並みを更に明るく照らしだし2つの人影もハッキリと映し出すのだった。


ハッキリと映し出された二人の人影は、幼さとあどけなさがある10代と見られる若い二人組の男だった。


そして、球体を作り出したと思われる片割れの男が「こんなものな?」と球体を見上げながら呟くと1つ小さな深呼吸をすると顔付きが険しい表情に変わり自分達が歩いてきた方を睨むようにジッと見つめている。


また、片割れの方の手には両刃の剣が握られており、二人は互いに背中を預けるように立ち警戒を高めていた。


すると、二人の足下の地が裂け地面から大きな影が姿を表した。


そんな状況にも二人の顔には焦りや動揺などは一切なく、少し距離を取って構えると地面から姿を現したモノから目を逸らさず警戒を続けている。


二人の瞳に映るモノ


10ほどある漆黒の瞳に8本の長い足


全身は白と黒の混ざった体毛に覆われており一見すると蜘蛛の様だが、本来の蜘蛛にはあるはずのない尻尾のようなモノがあるがひときわ目立つのがなんと言ってもその大きさかもしれない。


何せ、二人の前に現れた蜘蛛のようなモノの体長はゆうに8メートルほどあり歩くたびに軽い地響きが起きているほどだ。


「ユウスケ、周りには建物があるけど構うな………全力でやれ!兄ちゃんや姉ちゃん達がこの街全体に結界を張ってくれてるから大暴れしても平気だし住民も魔法で強制的に眠らせてるから大丈夫だ!」


そう言って両刃の剣を持っている人物ことユウスケに告げるもう一人の男の子の姿が消えると蜘蛛らしきモノの上空に現れ、蹴りを一撃浴びせていく。


蹴りと言ってもかなり強烈な一撃のようで蜘蛛らしきモノの巨体が地に伏せられ辺りにはその衝撃が地響きの様に響き渡っている。


しかし、その巨体にダメージが通ってないのか身体を地に伏せられながらも尻尾から何かを噴射した。


噴射されたモノは白い液体のようだが、素早く身をかわした男には当たらず不発となる。


だが、液体が付着した地面はドロドロに溶かされてしまい、モロに受けたらひとたまりもないことが予想される。


そんなドロドロに溶けた地面を見て思わず乾いた笑いが出てしまうが、相手はお構いなしに液体を次々と噴射し男に狙いをつける。


その間にユウスケと呼ばれた男は集中を高め自身の持つ剣に炎を纏わせると身体を捻るように剣を構えた。


その次の瞬間、街の大通りに巨大な火柱が立ち上ぼり蜘蛛らしきモノの悲鳴が街全体に響き渡った。


火柱の正体は炎を纏った剣を振ったユウスケの攻撃であり、炎の攻撃が来る瞬間に空へ飛び上がったもう一人の男はその圧巻な攻撃をしたユウスケに向けて拍手を送った。


「さて、俺も仕事をしますかね~!」


拍手をやめると男は光の槍を形成し炎の中でもがく蜘蛛を目掛けて光の槍を投げていく。


見事に刺さった光の槍の影響なのか火柱は全て消し飛び、槍が刺さった中心部には黒焦げ?になった蜘蛛がいるがピクリとも動かずに街に再び静寂が戻っていく。

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