つちのこうやのラブコメ (それぞれ別々にお読みいただけます)
童顔・巨乳な幼馴染が、僕に「朝目覚めたらタイムリープしてました」ドッキリをするために小学生のころの服を着ようとしたけど、残念ながら着れなくて下着姿で僕の部屋にいる件
僕はゲームのし過ぎで、昼夜逆転しかけた。
それを直してくれたのは、幼馴染の友理奈だった。
どうやって直してくれたかというと、まず毎朝、めっちゃ目の覚める方法で起こしてくれる。
どんくらい目が覚めるかと言えば、めちゃくちゃリアルなタランチュラの模型をベッドの中に投げ入れたり、寒剤を用いて-20℃ほどまで下げた保冷剤をいきなりおでこに当てられたり。
そして夜は、12時以降は一切遊んでくれない。ゲームの対戦も電話も一切応答なし。
でもそのおかげで、とても正しい生活リズムにすることができた。
なのでそろそろ毎朝驚かすのをやめてほしいなと思いつつあった。
そんな朝、僕は自発的に起きた。
珍しい。一カ月ぶりくらいに友理奈に起こされなかった。
と思ったらいた。
目の前にいたよ。
で、何やってんだ?
なんで服ほぼ脱いでるの? 胸が下着に包まれてるよ! それはいつもそうか。いやだからそれが直接見えてるよ! で、でかいんだねこんなに……。知らなかった。
「おはよう」
朝の挨拶を一カ月ぶりくらいに僕からしてみた。
「あ、ご、ごめん。めっちゃ胸だしてます」
「そうだね。で、なんで脱いでるの?」
「いや着ようとしても入らないの」
「マジで? なんでですかね。急に太った?」
「太ってないし! げーむぐうたら大貴と一緒にしないでくださいー。誰のおかげで六時半に目が覚めてると思ってるの?」
「友理奈が目を覚まさせてくれるおかげです」
「でしょー。で、今日もそれやろうとしたのよ。そしたら失敗した」
「何をしようと思ってたんだ……」
「『朝目覚めたらタイムリープしてました』ドッキリ」
「なにそれ。え、もしかしてその着ようとしてるの、小学生の時の服?」
「そうですー。これで小学生のふりしようとしてました」
「なかなか無理があるなそのドッキリ計画」
仮に服を着れたとしても、胸がでかいし体型がもう全然違うもんね。でも友理奈童顔だから確かに寝ぼけてたらわんちゃん引っかかったかも。
「まあ今回は失敗したということで、ごめんね。でも自分で起きられたから偉いよー」
「ありがと」
「てことで、元の服に着替えるから。出て行ってよ」
「はいー」
僕の部屋なんだけど、まあ、下着姿でいるんだし仕方がない。
しばらくすると、「着替え終わったよー」と友理奈が言うので、僕は部屋に戻った。
すると、
パン! という音×5くらいがした後に、ひらひらとキラキラしたテープが舞い降りて。
箱が現れた。
「お誕生日おめでとうー!!!!!」
「あ、お誕生日、か」
「うん。これね、プレゼントだよ」
「おおお。ありがとう……」
やばい。これはさすがに負けた。
まさか、『朝目覚めたらタイムリープしてました』ドッキリに失敗したということは計画のうちで、それは僕だけを部屋から追い出すための茶番だったのだ。
うわあ。そうだったんだなあ。
僕はなんだか友理奈の下着姿の記憶を喪失してしまって、そしてプレゼントをゆっくり開けさせていただいた。
「これ、先週くらいに発売されたゲーム……!」
「そうですー。今日学校終わったら、一緒にやろ」
「うん」
マジか。なるほどな。
つまり、このゲームを一緒にやりたくて、だけどそれまでに昼夜逆転して僕の体調が壊れたら大変だから、僕の生活習慣を直すことから始めてくれてたってことか……。
壮大な計画すぎる。
ああ。これはもう、友理奈の誕生日の前は忙しいぞほんとに。
だけど今一番実感するべきは。
友理奈が本当にとっても素敵な幼馴染で、僕は友理奈が大好きだということだ。
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