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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
6/14

06

学校が終わって。

いつものように並んで帰る2人。

いつもはあさひが話をして。

えちるが相槌を打ちことが多いのだけれど。

今日は逆で。

えちるが積極的に話をした。

内容は、桜子との交流について。

一緒にお昼ごはんを食べて……。

どんなことを話したのかとか……。

桜子の好きなものとか……。

自分が好きな本を教えたとか……。

えちるはそんなことをたどたどしく話した。


えちる「それでね……桜子ちゃんがね……」


えちる「これからも……お昼……一緒に食べようって……」


あさひ「良かったな」


あさひ「新しい友だちができて」


えちる「……うん……」


えちる「凄く……嬉しい……」


つぶやくように言うえちるだけれど。

本当に嬉しく思ってることが分かって。

少しの寂しさを感じながらも。

あさひも同じように嬉しいと思えた。


あさひ「あれって……」


会話の切れ間にあさひは言った。

思わず……と言った感じで。


えちる「どうか……したの……?」


あさひ「あんなところに家なんかあったかなって……」


あさひの視線の先には家がある。

それは本当に普通の家で。

取り立て見た目に変なところはない。


えちる「えっと……」


えちるもその家を見て。

それはえちるから見ても普通の家で……。


えちる「なんだか……よく分からないけれど……」


えちる「前から……あったんじゃ……ないかな?」


あさひ「まぁそれはそうだよな」


新しい家を建てているならそれこそ工事などで気がつくはず。

それがなかったとしたら……。


あさひ「前からあそこに家があった」


あさひ「そう考えるのが普通だよな」


えちる「あの……家が……気に……なるの……?」


あさひ「うん」


気になるというか……。

普通の家と違って……。

何か大事なものがあるような……。


あさひ「えちるは気にならない?」


えちる「わたしは……その……」


えちるは少し考えるけれども。


えちる「あんまり……何とも……思わない……かな」


あさひ「俺が変に引っかかってるだけかもな」


普通の家だから。

風景に溶け込んでしまって。

今まであることに気が付かなかったのかもしれない。

そして……。

あることに気がついたから。

何だか変に特別視してしまうのかもしれない。

あさひは自分でそう納得させる。

どこからどう見ても普通の家なのだから……。


あさひ「変なことを言ってごめん」


えちる「ううん……大丈夫……だよ……」


えちる「そういうことって……たまに……あるから……」


あさひとえちるはそうやって家の前を歩く。

なんの変哲もない、普通の家。

そうにしか見えないけれども。

あさひにはやはり家の存在が気になってしまった。

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