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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
4/14

04

えちる「……可愛かったね……」


あさひ「そうだな」


知久「惚れたか?」


あさひ「そんなわけないだろ」


あさひ「家族と仲いいっていうのは好感が持てるけど」


あさひ「……まぁそれぐらいかな」


知久「あさひってけっこうあっさりしてるよな」


あさひ「そうか?」


あさひ「普通だと思うけれど」


えちる「……うん……」


えちる「あさひくんは……優しい……」


えちる「朝も……起こしてくれるし……」


知久「まぁえちるには優しいよな」


知久「俺には優しくなけど」


あさひ「モーニングコールでもしてやろうか?」


知久「あさひの声で目覚めても嬉しくないな」


あさひ「だろ」


知久「そもそも俺の方が早起きだし」


あさひ「それもそうだな」


いつものような雑談。

あさひと知久は特に転校生への関心もなく。

しいていうなら……。

ああいう風に質問攻めされたら大変なんだろうな。

と転校生とその周りの人達の会話が耳に入りつつ……。


あさひ「転校生が気になるのか?」


えちる「え……」


えちる「……私?」


あさひ「うん」


あさひはえちるに言った。

えちるはいつものように見えたけれども。

たまに転校生の顔を見ていることに気がついた。

えちるが他人に関心を示すのは珍しいことで。

だから思わず聞いてしまった。


えちる「うん……」


えちる「ちょっと……知ってる人……かもだから……」


あさひ「えちるの知り合い?」


そうは言いつつ。

あさひはぼんやりと疑問を持つ。

えちるとあさひは幼馴染で。

ほとんどの知り合いは共通だったから……。


えちる「知り合い……ってわけでもなくて……」


えちる「……もしかしたら……」


えちる「違う……人かも……しれないし……」


えちる「でも……」


えちるはたどたどしく喋るのが癖になっていて。

そうやってしか喋れなくて。

そういうのが気に障る人もいるみたいだが。

あさひと知久は特に気にもせずにえちるの話を聞いた。


えちる「えっと……その……」


えちる「一緒に……お話を……してみたい……なって……」


あさひ「そっか」


言いながらあさひは転校生の席を見る。

まだ質問攻めにあっている。


あさひ「昼休みになれば一段落つくだろうから」


あさひ「その時がいいかもしれない」


あさひ「なんなら俺が……」


えちる「……ううん」


えちる「私が……声を……かける……」


えちる「2人で……話したいことが……あるから……」


あさひ「そっか」


あさひ「それなら昼休みに一緒に食べようって誘えばいいかもな」


知久「俺もそれでいいと思う」


知久「見た感じ、みんなでわいわいって感じでもなさそうだし」


知久「まぁあさひは寂しがるかもだけどな」


あさひ「んなわけないだろ」


あさひ「話したいなら俺は気にしなくていいからな」


えちる「うん……ありがとう……」


えちると転校生。

2人がどういう関係なのかはさっぱり分からない。

聞いた感じだと知り合いの知り合い。

みたいな雰囲気があるとあさひは思う。

でもまぁいいことだよな。

そう結論づけた。

ちょうどその時……。


円「知久はいるか?」


がらっと扉が開いた。

扉のところで教室を見回す女子生徒。

生徒会長の円。

身長が高くてきりっとしていて眼鏡が似合って。

男子はもちろんのこと女子からも人気の高い人物。


智久「いますよー」


そんな円に知久は憧れていた。

人間的にも、恋愛的にも。


知久「昼休みに話し合いですか?」


円「そんなところだ」


円「遅れないようにな」


知久「了解です」


それで2人の会話が終わり。

円は扉をゆっくりと閉めて。

自分の教室へと帰っていくようだった。

とても短い言葉と時間。

しかし……。

最初は来ても来なくてもいいと言われてたが。

今ではこうやって教室まで来てもらえる。

その変化を3人とも嬉しく思っている。


知久「ってなわけで」


知久「俺は生徒会室に行くことになったから」


あさひ「そうみたいだな」


知久「本当に寂しくないか?」


あさひ「寂しいわけないだろ」


あさひ「俺はそこまでデリケートにできてないからな」


知久「それもそうだな」


今日は学食でなんか食べるか。

そんなことを考えつつ。

えちるも知久もうまくいくといいなとあさひは思った。

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