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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
2/14

02

朝のHR前。

いつもと同じ景色。

いつもと違う雰囲気。

教室が少しざわめいていて。

あちらこちらでお喋りが聞こえる。

あさひとえちるの2人は。

うまく状況を理解できてなかったけれど。

すぐに友人が来て教えてくれた。


和久「転校生が来るらしい」


いつものようにポケットに手を入れたまま。

ぶっきらぼうな感じで。

和久は言って……。


あさひ「それはいきなりな話題だな」


あさひも気楽な感じで返事をする。

和久とは入学してからの付き合いで。

最初は不良の類かと2人は思ったけれども。

話してみると気さくで優しく。

それに想像以上に真面目だった。

だから最初は怖がっていたえちるも。

今では普通に喋れるようになった。


えちる「……わたしも……知らなかった……」


和久「クラス中そんな感じみたいだぞ」


あさひ「転校生って初めてだな」


和久「俺も」


えちる「わたしも……」


あさひ「でも……」


そう言って。

あさひは言葉を止めた。

えちるは確か……。

違うクラスだったけど……。

あの……事件の……後に……。


和久「どうかしたのか?」


和久「ぼけっとして」


あさひ「何でもない」


あさひ「ってわけでもないな」


あさひ「朝から調子が悪いんだよな」


えちる「うん……ずっと……眠そう……」


和久「保健室で寝とくか?」


あさひ「そこまでじゃないな」


あさひ「別に体調悪いわけでもないし」


和久「まぁ可愛い女の子を見たら元気になるだろ」


えちる「……転校生は……女の……子?」


和久「そうみたいだ」


和久「朝練に来てたクラスのやつが見たらしい」


あさひ「噂もそいつ発信ってわけか」


和久「そんな感じ」


和久「気になるか?」


あさひ「人並みには」


あさひ「お前と違って女子を見ても元気にはならないけどな」


和久「あさひにはえちるがいるしな」


あさひ「……まぁ否定はしないかな」


えちる「……ありがとう……」


和久「2人は相変わらずだな」


そう言って和久は嬉しそうに笑う。

あさひとえちる。

2人は幼馴染で。

少し前から恋人同士で。

確かあの日は……。

あさひは思い出そうとするけれども。

まだ頭がうまく働かないみたいで。

少しぼんやりとしていた。


和久「万年片思いの俺からしたら羨ましけどな」


えちる「生徒会長……格好いいから……人気……ありそう……」


和久「そうなんだよな」


あさひ「まぁ当たって砕けるのもいいと思うぞ」


えちる「うん……男らしくて……格好いいと……思う……」


和久「砕ける前提なのかよ」


そう言ってまた和久は笑う。

和久は生徒会長に片思い中で。

今も雑用をしによく生徒会室に出入りしている。

最初は見た目などで浮いてはいたが。

真面目に、真剣に。

しっかりと学校に貢献するとのことで。

今では次期生徒会長にという声もなくはない。

不良がいい事したらよく見えるだけ。

和久はよく言っているけれども。

和久と一緒に歩いていると。

みんなから挨拶されることが。

凄く和久らしいとあさひは思っていた。

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