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ターゲット見つけました

前世を振り返ってます。

ちょっと暗めなのでお気をつけ下さい。




直感を信じミリアリアを避け続けて数ヶ月。私は久々に素敵なカップル候補を見つけた。

同じ特別クラスのジークフリードと単一属性クラスのナナリー。

どうやら2人は幼なじみのようで、隠れるように会っていたのを見かけたのだ。

ミリアリアから避け続けていたからこそ気がついた。



ありがとう、ミリアリア。



家名やクラス分けでの表向きは、差別厳禁ということになっているが多少の歪はある。クラス分けの時に違反者を出さなかったことで、他の学年よりはマシなのだ。

だが、風習時に残ってしまったクラスのランク付や、すでに知られている家名者は他の学年と同様だった。



『女神様がいらっしゃるわ』



『婚約者に逃げられるなんて大変よね』



聞こえるように言っている陰口にため息をつく。

アンナに教えて貰っていたけれど、評判がここまで広がっているとは。

女生徒からは侮蔑や嘲笑を、男子生徒からは揶揄い。


気にしてない。


だって、前世でも似たようなものだったもの。

世間一般的な結婚適齢期からは大幅に超え、浮いた話しもない。

女性社員からは行き遅れのお局様、融通がきかないから行き遅れたと言われてた。

男性社員からは行き遅れ、可愛げがない、女として見れない等、明らかにパワハラ、セクハラ。

そのくせ、独り身なんだからと若い女性社員の仕事を回され残業。都合がつかないからやっておけと言う男性社員。いろんな雑務をやらされていた私。

仕事は嫌いじゃなかった。終わった時に達成感があったし、集中してれば周りの声も聞こえなかった。社内での私の扱いは酷かったけど、社外の取引相手や他部署や他支社の人は仲が良かった。


『ナイショだよ?』


そう言って私にお土産をよくくれる人もいて、小さい日々の癒しに慰められていた。

まだ私が居なきゃいけない理由があるんだって。


この世界に生まれ前世を振り返ると、明らかに鬱状態だったと思う。自殺じゃなかったけど、明らかに過労死だ。死体解剖なんかもされちゃって、事件扱いとかにもされてしまっていたかもしれない。

私以外の社員はそこまで忙しくしていたそぶりはないから、パワハラとかセクハラとかいじめとかで会社は制裁を受けたのだろうか。

ざまぁ展開を想像するだけで、ちょっとだけ気分が軽くなる。

溢れ出た水を戻せないように、確認する方法はないのだけれど。


私がやっていた仕事は全てパソコンの中。セキュリティの一環で、3ヶ月ごとにパスワード変更を義務付けさせられていた。私が亡くなったと思われるのは、変更直後だった。変更したパスワードは上長に付箋で報告。付箋のパスワードを専用の端末に保管し、有事の時に開けるようにしておく。付箋は入力後その場で破棄。

上長が毎回それをしていた形跡はなく、付箋はおそらくシュレッターの中。

いつのパスワードが保管されているのか分からないけれど、パソコンは開けないだろう。3度間違えたらクラッシュするようになっている。会社の決めた方針上のことだからしょうがない。

ちょっとした悪戯で、端末繋げたままだと全パソコンがクラッシュする様にしておいたけれど大丈夫だったろうか。

部署の人が見ればすぐ分かるトラップなのだが、見つけられる人材が育っていたようには思えない。

  


私って悪役令嬢の素質あるんじゃないかしら?



現時点で遠巻きにされてますし、これ以上なにかされるとも思わない。

特別クラスの虹色ですし、この間の試験もトップでしたし。私を蹴落とせる人はまずいないでしょうし。

悪役令嬢になって、カップルをくっつける恋の試練を与えても良いんじゃないか?

吊り橋効果は前世でも広く知られているし、戦争後はカップルが増えたり、出生が増えるのは今世でも同じ。



まずは情報収集をして、効果的なときめきイベントを発生させる!

この学園では恋愛は禁止されていないもの。きっとうまくやってみせるわ!


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