学園初日。仲良くやれるのかしら
やってまいりました学園生活!
王室と貴族、魔力値が高い能力の秀でている者達で構成されている学校は、各国からの留学生も多くいる。
「入学おめでとう!これから君達には魔力値を測ってもらう。その数値を目安にクラスを決める。不正をしたものは退学とする」
厳しい声が響き渡る。
魔法を使って広い範囲まで聞こえるようにしてるんだろうがすごい。
『退学』を強調しているということは、毎年不正を働く人達が多いのだろう。貴族や王族は基本的にある一定以上の魔力があるとされるが、上流貴族だから力が強いわけでもない。
平民にですら劣る者もいる。それを知られない為に不正を働き、上のクラスをステータスの為に狙うのだろう。
上のクラスに入れたとしても、能力値ごとの授業なのだから追いつけるはずもない。
そう言った者は、クラスが下がるのではなく退学する事になる。
一つや二つ追いつけない授業があっても追求されないが、不正を働いた者は全てに置いて劣る。
下のクラスに配属されても、能力向上で上のクラスに編入する者も出てくるという。
己の力を見定め、それに見合った教育を受けることこそが、能力向上の近道なのだ。
「不正ってどうやるのかしら?」
不正をするほど落ちぶれてはいないが、不正の方法には興味があった。
水晶に手をかざし、魔力を流し込む。その魔力の質を感知して水晶の色が変わるのだ。その色の違いでクラスを分ける。
単一属性のクラス、複属性のクラス、闇属性、光属性のクラス、この4クラスの他に特別クラス。
特別クラスは魔力値がより秀でている、少数精鋭クラスになっている。このクラスに配属した者達は後世に名を残している者が多い。その為、権力が欲しい者達はこのクラスを狙っているのだ。
入れないにしても、お近づきになりたいと群がる者達が多いという。
「魔石を使用する方が多いみたいですわ」
「えっ?」
「突然話しかけてしまって申し訳ありません。私、ミリアリアと申します」
「私はエリザベスですわ。よろしくお願いします」
この学校の凄いところは、実力主義だということと、王族や貴族の階級で人を差別しないところだ。中には家名を盾に色々とし始める人がいたりもするが、基本的には家名はなのらないのがルールだった。
「エリザベスさんは不正に興味がおありですの?」
「この体制でどう行うのかに興味があるだけですわ」
「あら、魔力値に自信がおありなのね」
ミリアリアの言葉に面倒なことになったと思った。
明らかにマウントをとってきている感じがする。すでに測り終わっているミリアリアの胸元には複属生クラスのエンブレムが付いていた。
女性で複属生のクラスになるのは珍しい。
それは素晴らしい事だと思うが、初対面の人にマウント取りに来ては行けないだろと思うのだ。
「それなりに、ですかね?」
私の言葉にイラついたのか、「あなたの番みたいですわよ!」と背中を押された。
振り向いてみると、私の結果が終わるまで離れないという気迫が出ている。
これで自分より良いとされるクラスに決まったら、不正を行ったんだ!!と騒ぎ出すつもりなのだろうか。
正直めんどくさい。
水晶に手をかかげながら、ミリアリアみたいな子を『悪役令嬢』って言うんだっけ?今のは可愛い感じだったけど。いじめとかに発展しちゃうんでしょ?正直怖い。お近づきになりたくない!そんな事を考えた。
パキーン!
甲高い亀裂音が室内に響く。
なんだ!と周りが騒めくなかで、私は気がついてしまった。
今、私の翳している水晶にヒビが入った事を。
この水晶は長年使われているもので、傷がつかないようにご安置されているものだが、落としても、投げても力を込めて作った方の魔力で絶対に割れないとされている曰く付きの水晶。
その水晶にヒビが入ったとしたらどうなるんだろう。
「虹色に輝いてる!!」
そう、虹色に、、、?!
属性の色を判別するのに、虹色?そんな色存在するの?
ピキピキと水晶はヒビが入り続けてるし、誰か助けて!と騒ぎ出したい。
「これは特クラだな」
「そうですねー。」
「ここまで綺麗な色出す方久しぶりです」
放心状態の私に特別クラスのエンブレムを胸元につけた。