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プロローグ

投稿し直しました。

至らなくてすみません。




いつも心の中にぽっかりと穴が空いていた。親に虐げられた事も、友人がいなかったわけでもなかった。ただ、私だけがその中で異質だと思っていて孤独を感じていただけ。


引きこもりだったわけじゃない。学校も仕事も、休日にだって外に出かけることもあった。楽しくなかったわけではない。ただ、それを心から望んでいたわけじゃなかっただけ。


歳を重ねて、周りにいた人達は家庭を持ったり、自分の夢を叶えていったりした。私は昔から夢や希望を信じていなかったし、たかが恋愛感情に振り回されたりするのがめんどうだった。その面倒は年々ひどくなってきた。


同級生のお嬢さんは子供を出産したんですって!いつ孫を抱けるのかしら??お見合いしてみない?などなど。

正直、望んでもいない事を周りに強制される事は好まなかった。


なぜ、かまってくるのだろう?煩わしくてしょうがなかった。その煩わしさを吹っ切るように私は仕事に没頭した。


それこそ昼夜を問わず、睡眠や食事を削って。

まぁ、その結果。一人暮らしだった私は、社会問題になっている孤独死というやつをそれなりにまだ若い年代で経験することになる。


動けなくなった体で、息が苦しく目が霞む中で最後に思った事は、ようやく世界から消える事ができるのだという安堵と、周りには知られないようにしていた少女趣味な部屋と現実とかけ離れている恋愛譚の書籍の数々を処分していなかった事の後悔だけだった。






◻︎◻︎◻︎◻︎





目を開けていないのに、私がいる場所が暗闇に閉ざされている事が分かる。音もなにも聞こえない。でも、この空間に恐怖を感じる事はなかった。寒さを感じなかったらからかもしれない。

私が霧山すみれという名の人生を終えたのは間違いない。そう感じているというのに、なぜ

今もその記憶を保持しているのだろうか。私はなぜここにいるんだろう?

答えのない事を思いながら私は考える事を放棄した。

いまだに光や音を感じる事がない。そのうち現状が変わるかもしれない。




「おめでとうございます!!可愛らしいお嬢様ですよ、奥様!!」


祝福の声と共に私は光を感じた。


「貴女の名前は、エリザベスよ。よろしくねエリー」


頬にキスを落とされる。

そして、私はまた生を受けてしまった事を知った。



霧山すみれ。

享年46歳。

独身。

地味な外見のコンプレックス有。綺麗で可愛い女の子に憧れて、部屋だけは!とかなり乙女チック。本棚は少女小説、漫画の恋愛譚ばかり。

悲観主義者。


これは、私の第二の人生についての物語である。



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