キャラクター紹介 ※二章終了時点
二章終了時点でかなりキャラクターが増えごっちゃになってしまったかと思うので、ここでキャラクター紹介を挟みましょう。頭を空っぽにしてお読みくださいませ。
☆主人公
・村雨焔 / 村時雨華炎
緋色の髪がトレードマークの女装男の娘。
腹を決めてめでたく十六夜邸でメイドとして働き、更になし崩し的に女子校に通うことになった。今日も今日とて十六夜の玩具にされながら労働中。胃腸薬が手放せない日々を送る。
千春峰女子学院2-Aに転入し、学年学級問わず学校中で人助けお手伝いをしまくって千春峰で有名人になりつつあるとかなんとか。そのうちお姉様と呼ばれそう。
最近の悩みは仲の良かった妹が余所余所しくなってしまったこと。予期せぬ反抗期に心の中ではむせび泣いている。
「……最近、妙に女装に慣れてきたなぁ……」
「今日からお世話になります。村時雨華炎です! よろしくお願いしますね!」
「パワハラだ! パワハラです! 労働問題ですよぅそれ!」
☆ヒロイン
・豊葛十六夜
【豊葛グループ】議長令嬢。焔を誘拐して村時雨華炎にした。
やる気を刺激して華炎をメイドにしたと思ったら、今度は女子校に叩き込んだ上に理事長にまで仕立て上げた鬼のヒロイン。行動力はあるが私利私欲のためだけに使われるので無駄になっている。
千春峰女子学院の生徒会長で生徒から高い支持を持つ。千春峰は【豊葛グループ】がスポンサーを務めているのでかなりの権力を有している。教員も彼女には顔が上がらない。つまるところの暴君。
最近は華炎を思うがままに弄れているのでご満悦。
「ふっ。やっぱり華炎はチョロいわぁ……」
『学びなさい。教科書を捲るだけの勉強では知り得ないことも多くあるわ。それを知りなさい。それが学生の本分……私たちに課せられた義務よ』
「……ありがとう、焔くん……」
・木暮マグノリア
千春峰女子学院の2-Aに所属する焔の幼馴染。セレンに続き華炎の正体を見破った。
金髪にギャル口調で『ネオスーパーギャル』を自称しているが、焔から言わせれば普通に優等生。ギャルギャルしいのは見た目と言葉遣いだけで、ちょっとしたことでそのメッキも剥がれてしまう。
女装をせざるを得なくなった焔の立場を理解し、他の生徒に正体が露見しないようあれこれと気を遣ってサポートするようになった。
生まれは一般家庭で、金髪は染めているのではなく地毛。
中学生の頃、焔に何も言わず去っていったことをまだ根に持っている。
「久しぶり、焔君」
「よくもあたしからスーッといなくなってくれやがったなアターック!!」
「……うん、忘れる訳ないじゃん……」
・姫小路綾姫
千春峰女子学院の2-Aに所属する華炎のクラスメイト。物腰丁寧なおっとりとした気質で、華炎から古き良き大和撫子と見られている。美術商【HIMENOKOJI商会】の経営者である姫小路真傘の一人娘で、美術分野に造詣が深い。
一般中流家庭出身で俗っぽいマグノリアとは対照的に、上流階級出身で箱入りお嬢様といった気風を漂わせる。
華炎とは隣の席で、マグノリアも交えた三人で行動することが多い。
「まあ、美波先生ったら。村時雨さんを置いてきぼりにするなんて、相変わらずですね」
「私の実家は様々な美術品の売買を行うアートディーラー……つまり、美術商を営んでいますの」
「もう、村時雨さんったら。あなたも真っ赤な髪をされているじゃないですか」
・天桐尉泉
新たに千春峰女子学院に入学してきた一年生。水色の青い髪を肩口で揃えている。
初対面の華炎に並々ならぬ敵意を向けてきたが、ほんのささいなことであっという間に警戒が解けたちょろい子。敵意を向けてきた理由は不明だが、『赤い髪の一族』は自分の敵だと言う。華炎は洗脳に近い刷り込み教育によるものではないかと予想しているが……
「私は赤い髪の人は信用しません。赤い髪は、私たちの敵……!」
「天桐尉泉。クラスは言いません。勘違いしないでください、私はあなたを信用した訳じゃ……」
「……ありがとう、ございます」
・村雨紫炎
新たに千春峰女子学院に入学してきた一年生。赤色と紫色を混ぜた髪を持つ。
焔の妹だがかれこれ三年ほど焔と顔を合わせておらず、現在絶賛ホムラニウム不足中(自己申告)。
焔と最後に顔を合わせたのは中学校の入学式のあった日の朝で、それを境に焔はこっそり全寮制の中学に転校して会えなくなった。
何故か兄と同じ色の髪を持つ華炎に対して強い不信感を募らせていて、その対応は余所余所しく冷たい。同時に豊葛十六夜に対抗意識を抱いて何かと張り合うことが多い。
千春峰ではいつも隣に幼馴染兼親友兼お目付け役の従者が控えている。
「春なんて大っ嫌いです……いっそのこと温暖化で常夏になってしまえばいいのに」
「私は村雨紫炎! 覚えときなさいパチモン赤髪ぃぃぃ~~~~!!」
「口を慎みなさい灯音!」
・ルナーシア=ライゼノーブナ=リドリーチェ
千春峰女子学院3-C所属で、十六夜の親友。金銭面に聡く生徒会の会計を務める。マグノリアよりも色素の薄いプラチナブロンドの長髪。名前から分かる通りロシアからの留学生。十六夜からは『ルナ』の愛称で親しまれる。
基本的に柔らかく穏やかな性格で優等生を演じるが、気に入った相手にはに茶目っ気を発揮しておちゃらけた態度もとる。特に十六夜や華炎に対して発揮されやすい。
日本人のソレと遜色ない流暢な日本語を喋るが、間違った日本知識を持っていて苦労が多い。現代でも日本にはまだニンジャがいると思ってる。
家の掟で成人と共に自立を約束させられているが、本人はそれを苦と思っておらず前向きに生きている。そうでなければ十六夜の親友など務まらない。
「まあ! あなたが十六夜の言っていた新しい子なのね! 私は【ルナーシア=ライゼノーブナ=リドリーチェ】。Очень приятно (|オーチンプリヤートゥナ《はじめまして》)」
「やーねー。ヤーパンの言葉は難しいわ」
「はいっ、華炎ちゃん。あーん♪」
☆サブヒロイン(?)
・守山灯音
新たに千春峰女子学院に入学してきた一年生。紫炎の幼馴染であり、親友であり、従者であり、お目付け役。ボーイッシュな性格と言動をし、『女子校の王子様』といった印象を受ける。赤みが強めの栗毛。
役回りは華炎と近いものがあるが、彼女の場合は学年学級も同じで常に彼女の傍にいる分護衛としての意味合いも強い。どちらかというとストッパーのような気もするが……一応名目はそのようになっている。
強引グマイウェイな主を持つ身として華炎にシンパシーを感じていて、紫炎とは反対に好意を抱いている。主同士が喧嘩しはじめてその仲裁に胃を痛めるところまでもが一緒。
「いや、分からないよ……流石に血の繋がった兄相手に性欲を抱く気持ちは分からないから。あと灯ちん呼ぶな」
「私は守山灯音、灯音と呼んでくれ。そこにいる赤紫のお馬鹿さん、村雨紫炎の幼馴染のようなもので、同時に従者でもある。よろしく頼む」
「なるほど、村時雨さんもロマンチックなことをするじゃないか。風流を求めてロケーション巡りとはね」
・月詠セレン
豊葛十六夜に仕える忠実で従順なメイド。十六夜に対し絶対の忠誠を誓っている。輝く満月を思わせる銀色の髪が特徴的。
全てぼメイドに対して厳しく接し鬼のメイドと恐れられながらも、それでいて優しく多くのメイドたちから親しまれる良き上司。華炎も彼女の良さを理解し、ときに降りかかる理不尽を非難しながらも信頼している。
全てのメイドを統括するメイド長を務めていて、屋敷の中のNo2のポストに君臨している。十六夜が学校などで不在の時は彼女が屋敷を管理している。
ちなみに交際経験はなく、年齢の話になると必ず自分はまだ二十代前半だと主張してキレる。
「…………本当は私の仕事なんだけどね、ソレ」
「それでいいわ、その代わりに困ったときはお互い様よ。他の誰かがそういう問題を抱えてきたのなら、あなたも解決に協力してあげることね」
「私はまだ二十代前半よ!」
・鬼灯上弦
妹と共に華炎より三か月ほど前にやってきた同期の新人メイド。明るく溌剌とした性格でコミュニケーション能力が高い。茶髪。
どんなときも笑顔を絶やさないことを信条としており、華炎は「心がささくれ立ったときにお話していると癒される」と言ってよく一緒にいる。
月の館では高い適正から接客の分野に勤め、先輩たちから期待の新人として手塩にかけられ成長中。最近は研修も終えていよいよ実戦投入される予定だとか。
華炎を可愛い同僚として見てガールズトークに誘ったりするが、しかし華炎の正体は……
「ちょっと下弦ちゃん、それじゃ私がすごく失礼みたいじゃない」
「学校生活かぁ~。やっぱり青春って感じがしていいですよねぇ~」
「罰として下弦ちゃんにはこの後の清掃に連行します」
・鬼灯下弦
姉と共に華炎より三か月ほど前にやってきた同期の新人メイド。姉とは対照的に口が少なく人との関わりを避けようとするコミュニケーション下手。茶髪
喋ると必ず語尾に「なの」がつく特徴的な喋り方をする。いつもジト目無表情なこともあり、見た目と中身がチグハグ。更には思春期真っ盛りな学生並みに脳内ピンクで、隙あらば下ネタを会話に突っ込もうとする。しかしそれでも臆面なく他人と同じように接してくれる華炎を気に入っていて、華炎の前では饒舌になることが多い。
ちなみに華炎のミニスカメイド服に唯一疑問を呈しており、華炎のことを『赤髪コスプレメイド』と呼ぶ。
「くぅえっ、助かった……なの。ぐっじょぶ赤髪コスプレメイド……なの」
「下弦ちゃん知ってる……これってそう言ってる人が一番怒ってるパンティー……じゃなくてパティーン……なの」
「三十六計逃げるに如かず、なの!」
・美波良子
千春峰女子学院の教員で、華炎たちの在籍する2-Aのクラス担任。どうしてアンタお嬢様学校に就職できたんだ? 頭を抱えたくなるほどの不良教師。まず間違いなく元ヤン。
染めた茶色の毛を無造作に伸ばし、言葉遣いは荒っぽく、一応スーツを着ているがラフに気崩している。その上授業もHRも適当で重要伝達事項を忘れるのもザラ。
千春峰にはクラス替えがないので2-Aの面々とは最早気の知れた仲。彼女の気質を理解した彼女たちはなんとかうまく折り合いを付けている。そして華炎も既に慣れてしまった。
彼女が教員になれたのも、きっとそれ相応の能力があるから……のハズ。
「おっと、自己紹介がまだだったな。あたしは美波良子。間違っても『よしこちゃん』だなんて言うなよ?」
「んで、この公式は教科書の……んだっけ? どこにあったか思い出せねぇなぁ……」
「ホームルームの時間だコラァ!」
・叢雲志鶴
千春峰女子学院の学園長。妙齢の女性でそこはかとなく美女っぽい雰囲気を出している。
若くして千春峰の学園長という地位を手に入れた敏腕経営者。利益のためなら法に触れない程度のところまで手段を選ばず、その腹黒さは十六夜をそのまま大きくしたようなレベル。
生徒会長の十六夜と結託し、華炎を騙して空席だった理事長の座に無理矢理ぶち込んだ。一応名目は生徒に寄り添った経営をするため実験的に生徒に理事長をやらせてみる、というものだが、実際のところは十六夜に対する交渉以外の何者でもない。
上記の暗躍により、華炎の要注意人物リストに乗っかった。
その生来の腹黒さ故に出会いに恵まれず結婚に飢えているらしい。三十路ェ……
「うふふふ……わたしは叢雲志鶴。この千春峰の教職員です」
「このアンケートにちょっと答えていただきたいのですけれど……」
『ああそれですか? アンケートを装って裏にカーボン紙を……あ、カーボン紙はお分かりで? 宅配便とかでやるアレですよ』
・屋敷のメイドの皆さん
十六夜邸で働くメイドは誰も彼も十六夜自ら選定してスカウトした美少女 / 美女(少女……? も含む)たちで、そのせいで屋敷の中は顔面偏差値が高すぎる異常空間と化している。
しかも十六夜が要求するのは見た目だけではなく、個人が持つ特技や技能もハイレベルなものを求められる。それゆえに月の館のメイドは各分野のスペシャリストたちが蔓延る、やはり異常すぎる魔境になっている。
逆にどうしてまだ屋敷に残ってメイドしてんの? と聞かれるくらいには凄い人たちが沢山。
だいたい全員で三十名ぐらいだろうか。……多すぎない?
・クラスメイトの皆さん
一瞬だけ登場した。名前ありの人たちが複数人いたが、今後再登場の予定はなし。エキストラへと逆戻り。
今回のキャラクター紹介を持ちまして、幕間の章はおしまいでございます。
次回より、ヒロイン一人一人に焦点をあてたキャラクターエピソードへと移っていきます。
記念すべき最初のヒロインは、二章では影が薄かった豊葛十六夜さんです。二章の半ばでそれっぽい伏線が立てられましたが、彼女の過去とは……?
それでは、次回から第三章「豊葛十六夜と後継者たち」、お楽しみにお待ちください。