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2 幼馴染会いに行きました

しかしリヒトのやつ何の用なんだ?

俺も用事があるからちょうどいいが何かあったんだろうか?


しかも私室だろう、国の一大事だろうか


そう思いながら予定時間前に王都についたのでベルの土産を先に探してみることにした。


うろうろと屋台の人に挨拶もしながら見て回ると今は会いたくない人物―ジーク殿下を見つけた。




たぶんあの宿から出てきて、そのまま王都にいたんだろうなぁと


思いつつその場から離れようとしたが


目があった。

あってしまった。



だが気が付いていないふりをしてその場から立ち去ろうとしたが

相手はこちらに声もかけずについてくる。




なんなんだよあいつ、怖すぎる


とりあえず真意がわからない以上は

手を出すわけにはいかない


だからひたすら逃げることに重点に置いて

なんとかまいた


なんか疲れたわ


それにしてもベルへのプレゼントも買えなかったなぁ


……もう先に王城にいってリヒトの用件と自分の相談をしてこよう

もうすぐ時間になるし



辺りを警戒して俺は王城に向かった。




何事もなく無事に王城の前についた。

そのことに安堵しながら門にいる騎士に挨拶をした。

顔見知りではあるが顔パスで通るわけにはいかないので普通に挨拶する。




「本日、リヒト王太子に呼ばれて、参りました通していただいてよろしいか」

「スタードさん、そのことについては承っています。どうぞお通りください」

「ありがとうな」


いつものように通してもらい、自分でリヒトの私室に向かうことにした。

まだ早いからもしかしたら私室にはいないかもしれないが

それならそれで中でまたしてもらおうと考えながら歩いていると

リヒトの私室にたどり着いた。


扉をノックすると入室許可が出たのでのそのまま私室に入った。




そこには少しだけやつれているリヒトがいた。

いつもならきっちりと綺麗な金髪の髪をセットしているのに今日に限ってはすこしだけ乱れている。

碧色の瞳にも疲れがにじみ出ている。


そんなにやばい用件なのかと少しだけ身構えた。


「もうそんな時間だったか、すまないな、スタード、とりあえずそこに座ってくれ」

「ああ、というか、大丈夫か?」

「すまない、いろいろと頭を抱えることが起きてな」

「そうか」


リヒトはそこで言葉を止めた。

そこから話そうとしないのでスタードは続きをうながした。



「それで、今回はどんな用件なんだ?」

「すこし言いづらいのだが、……ジークについて聞きたいことがある」

「まさか、リヒトもあいつが男性もいけること知っているのか?」


おれの言葉に一瞬にして固まる、リヒト。


ああ、これの対応に追われて死にそうなほどダメージを受けているのか。



「……どうしてそれを知っている」

「あーまあこっちも言いづらいんだが、実は昨日ジーク殿下にまあ犯されまして」


その言葉を言ったとたんにリヒトは机を破壊した。


あーかわいい弟がおっさんに片足ツッコんでいる親友を犯したとしったら

まあこうなるよな

すごく申し訳なくなった。


「なんかすまん」

「いや、それよりも体調は大丈夫か? というよりも本当にそんなことが起きたのか? というかお前ほどの男が抵抗もできなかったのか?」


「体調はたぶん大丈夫だと思う。本当に起きたことだと思う」

「思う?」


「実は催眠魔法をかけられたから詳しくは覚えていない」


リヒトは拳を握りながらプルプルと震えていた。


「あの野郎、ついに俺の加護を突破しやがったのか」




「リヒト、素が出てるぞ」




こいつ王子のくせに口が俺以上に悪いんだよな


「スタード、すまない。私の力が及ばないせいでこんな事になって」

「犬にかまれたと思って忘れるさ」

「そうも言ってられないんだ」

「……どういうことだ? まさかジーク殿下は完璧に男だけが恋愛対象なのか?」

「そうであればまだよかったよ、だがそうじゃない、あいつはお前だけが好きなんだ」


「は!?」


俺だけが好き?

どういうことだよ



「わからんよな、俺にもわからんよ、あいついわく初恋らしい」

「いやいや、ほとんど会ってないだろう、なんでそれで俺に惚れるんだよ!」

「それも聞いた……10年前のモワノール王国の事件の事を覚えているか」


「あの事件か」


俺にとってはつらいものだった。

侵略をうけたモワノール王国からの救援要請を受けて、その国に向かったが現地につく前に

国にいた国民はすべて殺され、王族は一番末っ子王子を残してみんな殺されていた。





どうやら城に避難をさせていた国民の中に裏切り者がいたらしく、そいつのせいでみんな殺されてしまった。


あの国から嫁いできた、リヒトの奥さんのリィテンベルク王太子妃は嘆き悲しみ

単身で報復をしようと思うぐらいに追い詰められていた。



リィテンベルク王太子妃を心のそこから愛しているリヒトはそんなことはさせなかったが

侵略した国自体はリヒトが報復をしている状態だ。


何をどうしたのか知らないが飼い殺し状態らしい。



「それでその事件のどこに俺に惚れるんだ」

「実はあいつはあの事件の時に救援隊の中にいたんだ」

「はあ!? 10年前なんか、あいつ8歳だろうが」

「……あいつはあの頃から魔法に関しては天才でな、変身魔法で変身してその救援隊についていったらしい」

「まじかよ……」


リヒトも天才だがジーク殿下も天才かよ

血筋は侮れないな



「それでだ、お前たちがついたときには城には死体しかいなかった」


現地についたときには侵略者たちは本国に報告のために帰国していた。


誰も生きているもののいない城を見て俺は無力さを感じたよ。


「その時にお前は自分の事のように嘆き、悲しみ怒り泣いた。そして生き残りがもしかしたらいるかもしれないと城の探索を命じた。その時の姿勢にひかれたらしい」


「そんなことで俺を好きになるなんてな」


無力な俺の精一杯の行動だ、もっと早くついていれば何か変わったかもしれない

だから俺にとってはそんなことだ。


「……そんなことじゃない、あの時の対応は正しいよ、それにそのおかげあの子だけでも救えただろ?」

「……ああそうだな」



「それで話しを戻すが、ジークはお前を婚約者にしたいと言ってきたんだ」


話しのは流れ的には覚悟していたが聞かされるとなかなかにきついな。


「そんなことは聞いていないが」

「本当につい最近言ってきてな」


それで頭を抱えていたのか。

普通はそうなるわな


「それで陛下はなんていっていたんだ」

「婚姻についてはなにも言ってないどころかノリノリだったよ、今まで愛だの恋だの言ってなかったジークがそんなことを言い出したんだから。そして今日の呼び出したのはそれが決定したいうことを伝えるためだ」

「……それって、もう俺、逃げれないよな」

「逃げ道を探そうと思って早めに呼んだんだが、少し遅かったみたいだな、既成事実があるなら、それの責任をとるということで婚約を確定にするつもりだったんだろう」

「すまん、俺が自ら逃げ道を塞いじまったんだな」


あの時、不用意に近づかなければよかったのか

少しだけ後悔はしていたが起きてしまったものはどうにもできない。


「謝りたいのはこちらの方だ、せめてもお詫びに何か国から進呈することになると思う。決して悪い物は贈らない」

「あー特に物はいらねぇ」

「そうだな、お前は欲がない人間だったな」


まあ欲しかったものはあるが

それは国から貰えるもんじゃないからな



「そうだ、ベルとライトの今後のことの保証と婚約は王家からの持ってきたものだとは伝えてくれ。それがあるだけで女性のあたりが少し減る」


母親が女性の社交界は面倒くさいとぼやいていたのを思い出して

付け足す。

リヒトもそういったことに心あたりがあるのか苦笑しながら答えた。



「女性はそういうところがあるからな」

「それで今後俺はどうすればいいんだ?」

「ああ、今日の午後にそのままジークと顔合わせをしてくれ、その場には私も立ち会う」

「あー昨日今日で会うのが少し気まずいな」

「本当にすまん、我が弟のせいでいろいろといらない苦労をかける」


「そんなに謝んなって、お前が悪いわけじゃないしな」

「スタード……」


リヒトは心底複雑そうな表情を浮かべていたので俺はすこしだけでも安心させるように

微笑んだ。

それを見たリヒトの表情はより苦しそうになった。

間違えてしまったか。


「なにかあったらいうんだぞ、大丈夫、王太子権限で離縁も可能だからな」

「……なんかあったら、頼むよ」



まあ催眠魔法で無理やり犯されてるし

今後の夫婦?の溝も心配だよな

しかも俺の方から断ることもできない。


リヒトが心配するのも当たり前だよな。



いい友達を持ったもんだ


問題の弟の兄でもあるが。



どちらにせよに逃げられないから

覚悟を決めるか


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