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1 頭を抱えました


どうしてこうなった

そう俺は頭を抱えるしかなかった。




俺の名前はスタード・ベルジュ、茶髪で前髪と髪は邪魔にならないように短めで

翠色の瞳の色をしている

28歳、10歳の娘もいる。妻は男をつくって出て行った。


そして俺の家は代々騎士の家系だ。

俺自身は第一騎士団団長だ。




さらにいうと、この王国、ストレイガー王国、建国時の王の双子の妹の血を引いている。

つまりそれなりに偉くはある。

爵位は一応公爵になる。


そして第一騎士団はちょっと特殊な騎士団で

この騎士団は基本的にはベルジュ家にゆかりがある者や認めた者しか入れない。

それには理由があるこの第一騎士団は

貴族と王家が道を踏み外した時に断罪する役目も担っている。

横暴な税率とか、独裁的な政治を行ったとか、法律に触れているとかが対象だ。

ちゃんと調査をしたうえで断罪をする。



そんな俺が頭を抱えているのはそう目の前の現象についてだ。


詳しく説明すると見知らぬ部屋の見知らぬベッドに一人の裸の男と、裸の俺。

そしてケツがいたい。


どうしようこれどう考えてもヤってるよ


本当にどうしてこうなった。そうだ頑張って思い出してみよう。



まずここ最近、王都で愛娘であるベルの事を見つめるベルよりも年上の野郎がいるってことを同僚に聞いた。


それを聞いた俺はまず真偽を確認するために娘と一緒にいる時間を増やした。


そしたら午後だけだが常に視線を感じる、どこにいるのかは簡単にわかった。


とりあえず簡単に警告しておくかと思い。

そいつの顔と特徴を覚えて、ベルを見つめる以外はどこにいきつけているのかを探した。


そしたらなんと俺の行きつけの酒場に入り浸っているらしい、なんということだ。

親である俺の行きつけを把握しているのか

それともたまたまなのか


わからんが近づいて、釘をさしておこうと野郎の隣に座って話しかけた。


あーダメだそこから先は思い出せない。


なにがあったんだ


頭をひねるが一向に思い出せない。


もしかして、魔法かけられたか?


この国は簡単な魔法なら誰でも使える。

強い魔法は修練次第だな。


ただ一部の人間は異様に魔法耐性がないものがいる。


その一部は俺なんだが、耐性をあげる最上級の加護を幼馴染のリヒト王太子から受けている。


だがまあそれがあってもとても強力だった場合は意味をなさないがな。


ちなみに俺自身は自身と物の強化魔法と簡単な魔法が使える。


さて、調べるか。


自身に鑑定の魔法を唱えると



「……うぇ、催眠魔法がかかっていた形跡がある、しかも滅多に見れないレベルのやつだ」



あーなんかそれに気が付いたら、頭が痛くなってきた。


というか最上級の加護を突破する魔法を扱える人物なんて限られているぞ

かけたのは誰だ


そんなことを考えていると隣の裸の男がもぞりと動いた。


その男は俺の記憶のあった視線を向けた男ではなく知っている男だった。

どうやらこの男は変化の魔法も使っていたらしい。


この男の正体はこの国の第二王子、ジークベルト・ストレイガー殿下であった。

金髪に翠の瞳、女性が見たらすぐ骨抜きにされそうな人物だ。

一見優男に見えるが筋肉はわりとついている。


周りの騎士連中は優男だと陰口を叩いていたがこいつはその陰口をいった奴らよりもはるかに強い。


歳は確か俺の10個下の18歳で


俺は第一王子とは幼馴染なんだがこいつとはあんまり会った記憶がないな。


なんせ10個も下だと共通の話題もないしなぁ。


……とりあえずここから一時退却して、次の手を考える事にするか、どう考えてもこの状況は

まずい、第二王子は今は婚約者はいない。

その点はよかったが、この国は同性同士でも結婚することができる。


第二王子が男もいけるということがわかればある意味、国が混乱の陥る。

令嬢だけでなく令息までも候補になる。


王家に縁を繋ぎたい奴らが今の倍近くになる可能性がある。


いやまて、男しか恋愛対象にならないのか?




……とりあえずおいておこう。



すでにこの国は第一王子が次期国王に決定している、さらに俺の娘と同い年の息子がいるはずだから

よほどのことがなければ、第二王子が跡継ぎになることはない。

だからおいておくことにした。


あとでリヒト第一王子に弟殿下について相談しておこう。



幸い自分の服は床に落ちていたし愛用の剣はしっかりと壁に立てかけてあった。

剣に関してはしっかりしているんだな。


とのんきに考えているとベッドの塊がもぞもぞと動き出したので素早く着替え、剣を持ち

俺はその場を離れた。






王都の町からほどよい距離離れている自宅の公爵家の屋敷に帰った。

我が公爵家の家は人が住む場所自体はそんなに大きくない。

ただ部屋の中で自主練ができるように普通の家よりも頑丈にできてるし

筋肉トレーニングができるような部屋が余計にあり

外の庭には打ち合うための人形や走り込みができるようにやたらと広い庭があるぐらいだ。




そろそろりと玄関を開けるとそこには

仁王立ちをしている、短い赤髪、紅瞳の少年。

もとい一番弟子であり義弟でもある、ライト・ベルジュがいた。

この少年はわけあって10年前に我が家の母親が引き取り養子にした。


その際、年が近いし(10は離れているが)試しに弟子にしろという無茶な指令を受けて、弟子にしてなんとか師匠としてやっている。



「あーすまん、今帰った」

「泊まる時は連絡をよこすようにと言ったはずですが義兄さん?」

「本当にすまん、いろいろあって連絡が出来なかったんだ」


目の下には目立たないがくまがあった。

たぶん心配して眠れなかったんだろう

ということが伝わってきた。


それについて本当に悪いと思い精一杯頭を下げた。

それを見てライトはため息をついた。




「義兄さん、そんなに怒ってはいませんよ、ただベルが朝練の時間にあなたがいないと怒りながら剣をふるっていました、それのフォローはしてくださいね」

「あーそうだな、あとで謝る」

「そうしてください。それと今日はリヒト殿下に王城に来るようにと」


「わかった、時間の指定はあるのか?」

「本日の午前11時に殿下の私室に来るようにとのことです」



今の時間は午前9時、この場所から王城は30分ぐらい歩けばつくが

道中なにが起こるからわからないな。


「今から出る、すまないがベルには帰宅後、謝る」

「それなら、王都でお土産に何か買ってきた方がよいでしょう。それならベルの機嫌も多少はよくなるでしょう」

「そうする、すまないが留守は執事と頼むな」

「任せてください」

「それじゃあいってくる」


そういって俺は尻が痛いことも忘れて急いで王都に向かった。


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