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sikai  作者: 半信半疑
第11章 夢路に咲く華
39/57

2 夢の人

 誰もいないはずなのに、

 どうして誰かがいるんだろう。

 夢の中の人、

 あなたは誰?


「親愛なるトーマス・パーカス」


 過ぎ去った一切は過去である。

 そして今もまた過去となる。

 そこに意味は

 ないのかもしれない。

 けれど意味が

 あるのかもしれない。

 私はその全てを誇ることは

 できない。

 今に至るまでの全てが

 周囲に誇ることができるものではないことを

 知っているからだ。


 だが、あなたは

 良き隣人、すばらしい人だった。

 私はあなたを誇りに思う。


 一つの弾丸が去り、

 銃声が止んだ後、

 あなたは私の方へ

 よろけながらも歩み寄る。

 私はその体を、この胸で

 しっかりと抱きとめる。

 一切が過ぎ去るまで、

 ずっとそうしていた。


◇『親愛なる者』より

「親愛なるトーマス・パーカス」

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