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1 冬の訪れ
私たちは、
春を、夏を、秋を知っている。
季節が衣替えすることを知っている。
「秋冬」
ほほをたたく風
さぁ もうすぐだ、もうすぐだ
葉がざわめく音
もう私達は続かない命
季節
めぐりて
冬になるある日のこと
「寒空の下で思う」
白の囁き
近づく季節
枯れた命は
次への布石
耳を澄ませば
聞こえるからと
あの日のあなたが
言っていた
私はただただ
駄々こねた
「焼穂」
稲穂が燃える
紅々と揺らめく炎の奥に
何処かへの焦燥が
垣間見えた
広がり続ける黒土
刈り終わった成れの果ては
じきにあるべき場所へと還る
夕夜の狭間で出会う景色
もうすぐ冬が来る
◇『音が告げる』より
「秋冬」
「寒空の下で思う」
◇『霧の中』より
「焼穂」
※脱字訂正-2018/1/9
前書きのちょっとした話。
各行の先頭を音読みすると、「ししゅんき」になる。
だからなんだって話だけれど。
あ、この追記は何も工夫してないよ。
-追記日 2018/01/24




