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sikai  作者: 半信半疑
第8章 コドモゴコロ
29/57

1 彼と彼女

 彼と彼女の関係性は、

 一言では言い表せない。

 でも、誰だってそんなものでしょう?

「憧憬」


 長く伸びた影

 地面に移る。

 それはやがて

 空き地を抜け、

 公園を通り、

 彼女の家を通過し、

 ビルの高さを追い越して、

 とおいとおい場所へと帰っていった。

 未だたどり着けない私はただ、

 見ているしかなかった。



夏思かし


 芋虫は蛹になり、

 やがて蝶へと至る。

 平等に降り注ぐ、時の刻み。

 昔、私は、赤ん坊だった。

 そして子どもになって、

 それからまだ大人にはなっていない。

 めぐりめぐる、夏の日の午後。

 蝉の合唱、

 風に吹かれた夏草の演奏。

 指揮者は彼だった。

 後追う影が伸びてゆき、

 夜がはじまる。

 終わらない熱。


◇『真夜中に』より

「憧憬」


◇『夏の時間』より

夏思かし


 この詩集に収録する前は、明確に視点を設けていなかったけれど、「彼と彼女の詩」だと思って読んでみると、そういう風に書いた気もしてくる。

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