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sikai  作者: 半信半疑
第7章 偏色詩
27/57

2 届かない色

 一つ目の色は、

 物理的に届かない。

 二つ目の色は、

 感覚的に届かない。

「本質に気づく」


 テーブルの上の、

 食い散らかされた

 料理。

 おびただしいほどの、

 くたびれた

 人間。

 宴が終わり、

 熱気は拡散し、

 笑い声は宵闇に

 溶けるように消えた。

 浮かれ心地のまま、

 ふらふらと歩く。

 まあるい月の、

 やさしいきいろ。

 星々のかがやき。

 まぶしすぎて目を細めた。



「まざらない」


 図工の時間にまぜる、

 色とりどりの絵の具が苦手だった。

 思った通りの色ができずに、

 気づいたら醜い色になっているから。

 私に使われるなんて、かわいそう。

 どうせなら綺麗でありたいはずだ。

 鮮やかに。美しく。


 そのうち私は、

 チューブから出したまま使うようになった。

 まぜることを、やめた。

 醜い色はだめ。

 醜い色はだめ。

 鮮やかに。美しく。


◇『空に浮かぶもの』より

「本質に気づく」


◇『あきらめ』より

「まざらない」

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