1 オン
シナプススイッチ
広げた音の手
つながる言の葉
「決定権は何処?」
昨日と明日の境に居る。
昨日の私は向こうへ行け、と
明日の私はこちらへ来い、と
それぞれ呼んでいるけれど、
ただいま私は一人きり。
時の間の迷い子だ。
心ころころ転がって、
どっちつかずの道化人。
そのうち揺れは治まって、
おっかなびっくり踏み出せば、
いつの間にやら日が昇る。
(なす術もなく日が昇る…)
「余計な一言」
ラビリンス、永久に迷宮。
どこまでも果てしなく。
続きが気になるけれども、
また今度にしておくよ。
今はこちらでかかりきり。
きりきり舞いのてんてこ舞い。
親父も言っていた。
ピンチはチャンス。
それは思い込みの力なのでは?
知らん知らんと
首を振る。
そこで隣に座った女性が言ったのさ。
せせらぎの中に埋まってしまえ!
ってね。
親父黙り込んで、とうとう走って去ってしまった。
女性は満足したようで。
私も笑ってしまった。
あまりにも堂々としていたから。
ああ、こんな日もあるのか、と。
太陽でさえ、
今日はお休みしている。雲も静かに流れている。
雨は台風とおしゃべりしているけれど、
私たちには何も被害は無い。
競争していた子どもが近くにやってきて、
私にこう言った。
「いつまで夢を見ているんだい?」
「熟れる と 腐る」
熟れる
と
腐る
は
紙一重。
リンゴは熟れる。
卵は腐る。
しかし、リンゴも
ときには、腐る。
卵は、熟れない。
生徒は尋ねます。
どうして?
先生は答えます。
何事にも向き不向きが
あるからだよ。
いつかはボクも腐ってしまうのかな?
生徒はそう思いました。
◇『疑問符』より
「決定権は何処?」
◇『迷路の日』より
「余計な一言」
◇『腐りかけのもの』より
「熟れる と 腐る」