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sikai  作者: 半信半疑
第4章 日常より生まれる
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5 感情と記憶への追悼

 いつか抱いた想いは、

 私の底に沈殿しているんだろうか。

 それとも空気に溶けてしまったのだろうか。

 手繰り寄せて、思い出すことは、

 できるだろうか。

「燻りの火は」


 燃えろ、燃えろ

 その焦がれる想いをくべて、

 高らかに歌い上げよ!

 お前の何が良いのか、と

 苦痛を、暗い言葉をくべよ

 全てくべてしまえ!

 そうして一気に燃やしたら、

 清気が元に戻っているだろう

 今までの君は

 ただ悲しかっただけ



「不透明なユクエ」


 喜びはどこへいく。

 あの子と体をよせあった雨の日。

 怒りはどこへいく。

 大切な絵本を汚された冬。

 哀しみはどこへいく。

 イチョウの葉が落ちきった秋の暮れ。

 楽しさはどこへいく。

 追いかけ追いつき、変わる鬼の役。


 感情はどこへいく。

 思い出はどこへいく。


 私が死んだ日、

 彼らはいったい、

 どこへいく。


◇『向き合い方』より

「燻りの火は」


◇『不をまとう』より

「不透明なユクエ」

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