攻守交代
「俺はなァ、転生する時に女神からこの力を貰ッたんだよ。その名も『力点人間』。」
アクセルが初めて自分が持つ異能力を明らかにした。
『力点人間』。自分自身、もしくは動物以外の物に彼が触れたとする。すると、触れた点は力点となり、最大『×プラス・マイナス20倍』の力を自由自在にかけることができる。
例えば、彼が小石を時速100kmで投げたとする。小石を投げる瞬間に最大出力(×20倍)の力を加えると、その小石は時速2000kmで進んでいく。ただし、そんなことをすると体がもたないため控えているが。
力を加えることができる能力なので、速度だけでなく重力や浮力、圧力といったものも自在に操れる。
「そのため、こんな小石を蹴り飛ばしたとしてもそれなりの威力になるんだぜェ」
そう言って、アクセルは自分の目の前に落ちている小石を足で軽く蹴った。
すると、その小石は目にも止まらぬ速さでレグルスたちを通り過ぎ、レグルスたちのはるか後ろに見える灯台に当たり、衝撃音と共に砕け散った。
この刹那の間のできごとにも目を逸らさず、レグルスはただアクセルの方へ目を向ける。
今まで一歩も動けないというアクセルに同情して、本気で攻撃をしていなかった。
特に攻撃手段もわからなかっとので軽く見ていた。
だが、今ので全部わかった。この男は、アクセルは一歩も動かずとも勝つことができるということを。アクセルが立つ周辺の物が全て武器に成りうると言うことを。
だから、目を逸らさないと決めた。目を逸らした刹那の間にアクセルが攻撃して、ただの肉塊になるということが起こりうるからだ。
「ミラ!お前の魔法をかけるんだ!」
「わかった!『攻撃降下』、『速度降下』、『防御降下』」
ミラは得意の闇属性吸収系魔法を何重も重ねてアクセルに呪いをかけた。
相手が動けないことをいいことにこれでもかと言うほど呪いをかけた。
もうアクセルにかける同情などない。同情する余裕なんてどこにもない。この傍観軍最強の男は本当に最強なのだ。絶対的な力を持っている。
今、レグルスの治癒魔法をかけて港の脇で倒れているアルケナ。意識不明の重体だが、それだけで済んだのが幸いだったと今のレグルスたちは思う。
ケフェウス聖騎士団が圧倒的力の差で敗北している。
だから、こうして何重にも魔法をかけないと、アクセルには勝てないのだ。
ミラは攻撃魔法や有効魔法は一切使えないが、亜人界の中でも吸収魔法の使い手の中で頂点とも言われている。
そんな、各属性の頂点に君臨する者を、亜人界では極地と呼ぶ。
そしてミラは吸収極地の名を持っている。極地の説明は後にするとする。
さて、話を戻そう。
魔法を何重にもかけられたアクセルだが、表情に変わりはなく、未だなお余裕の風格で立っている。
「なるほどな。これは初めてだ。吸収系魔法をかけてくるやつなんていなかったからなァ。これは新鮮だなァ」
特に焦る訳でもなく、ただ淡々と落ち着いた声音で今の心情を語る。
そんな戯言には耳を貸さずにレグルスはこの男を倒す方法を考える。
その時、レグルスの頭にあの剣のことが頭に過ぎった。
それは人間、橋中悠貴が亜人として生まれ変わった時に女神ペルセウスから貰った剣。その名も伝説剣。この剣があったからこそジャック・シャークを倒すことができた。
そのため、この剣を使えばアクセルを倒すことができるはずだ。
しかし、ひとつ問題がある。この伝説剣は『その時』にならないと鞘から剣が抜けないのだ。
『その時』とは曖昧なもので、レグルスにだってわからない。ランダムで抜けるのだ。そして、今この瞬間は『その時』なのか。レグルスが柄の部分を持ち、剣を抜こうとする。すると、ギラギラと輝く銀色の刀身が見えた。
《抜ける!これならあいつに勝てる!》
レグルスは剣を最後まで抜き、その刀身を露わにし、アクセルの方へ突っ走る。
銀色に輝く伝説剣は七色を纏い輝きを放つ。
その美しい剣を大きく振りかぶり、その剣を薙いだ。
キィィィィィンといが甲高い音が辺りに響き渡る。
不思議なことにレグルスは剣で薙いだ時に、何かを斬った感触が無かった。
レグルスの後方で何かが落ちた音がした。
よく見ると、レグルスが持っている伝説剣は刀身が半分から先が無くなっている。
その瞬間、レグルスは剣が折られたということを理解した。
目線をアクセルの方へ向ける。そこには狂気に満ちた笑みを浮かべたアクセルが立っており、
「残念だったなァ。それエクスカリバーだろ?ごめんごめん、意外と簡単に折れちまッてよォ。エクスカリバーも大したことねェなァ。」
その瞬間、レグルスのみぞおちに衝撃が走った。
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誠に私事ながら、最近インスタグラムのアカウントを作成しました。(諸事情によりtwitterができないので)
覚醒龍神と検索すれば出てくると思います。
小説の最新情報などを投稿する予定です。
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今気づいたがこの物言いだと「フォロワー稼ぎ」みたいな見られ方がされそうで非常に嫌だな…。




